スギ幼齢木の根系への乾物分配 : 相対成長関係を用いた解析
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概要
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スギ幼齢木の地下部への乾物分配を明らかにするために,木部断面積血-現存量関係を相対成長関係を用いて解析した.地際木部断面積と地上部及び地下部の現存量との関係はそれぞれ異なる相対成長式で表された.これらの式の相対成長定数は異なったが相対成長係数はともに1に近い値を示し,地上部と地下部の成長率が等しいことが示された.個体内の1次枝や1次分枝根についても木部断面積-現存量関係に相対成長係数が1である相対成長関係が成立した,しかし1次分枝根をさらに細分した分枝根ではその関係は大きくばらついた.この理由として木部断面積に依存しない細根の発生や枯死による動態が影響していることが考えられた.個体間および1次枝および1次分枝根の木部断面積-現存量関係を比較すると,地上部,地下部ともそれぞれ同一式とみなされ,パイプモデルが成立していた.このことから地下部の現存量はパイプモデルを用いて推定することが可能であったが,地下部への正確な乾物分配量を把握するためにはパイプモデルでは表現できない細根の動態をモデル化する必要性が指摘された.Allometric relation between xylem cross-section area and biomass of each compartment was studied to reveal dry matter allocation to root system in five years old Sugi (Cryptomeria japonica) trees. Different allometric relations were obtained in top and root system among four trees. The constant coefficients of allometric equotion were different, but relative growth coefficients were nearly same, and approximated to "1". That fact indicated that relative growth rates in shoot and root system were same. Allometric relations between xylem basal area and biomass of primary shoot and primary branch root were obtained within a tree. However, secondary or more divided branch root biomass were not fitted to this allometric relation. Because, this relationship was affected by fine root production and mortality which were independed on xylem cross-sectional area. Two allometric relations obtained among trees and within a tree were similar in top and root system, respectively, and it was concluded a "pipe model" existed not only in top system but also in root system. Root biomass could be estimated using the allometric relation, but that relation had no attention to fine root dynamics, so it could not use for correct dry matter allocation to root system.
- 九州大学の論文
著者
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城田 徹央
九州大・農学部・造林学教室
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矢幡 久
九州大学農学部林学科
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城田 徹央
Department of Forestry, Faculty of Agriculture, Kyushu University
-
玉泉 幸一郎
Department of Forestry, Faculty of Agriculture, Kyushu University
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矢幡 久
Department of Forestry, Faculty of Agriculture, Kyushu University
-
Gyokusen Koichiro
Faculty Of Agriculture Kyushu University
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