ハナアカシア(Robinia hispida L.)の形成層由来のカルスから誘導した多芽体や根の培養による幼植物体の増殖

概要

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ハナアカシア(Robinia hispida L.)成木の形成層由来のカルスから誘導した多芽体や根の培養で幼植物体を再生し、増殖を図るための培養系の確立を試みた。形成層からのカルス誘導は、1/2MS培養地に2,4-D(1.0mg/l)を添加した培地で容易であった。得られたカルスを、1/2MS培地にIAA(1.0mg/l)またはBAP(0.1mg/l)を添加した液体培地に移植し、振盪培養に付したところ不定芽を分化した。このカルスから分化した不定芽は、1/2MS培地にBAPを0.1mg/l添加した固形培地で培養を継続したところ、多芽体を形成し、シュートの伸長を観察できた。この伸長したシュートの発根を試みた結果、蒸留水で湿らしたバーミキュライト上で容易に発根した。一方、形成層由来のカルス塊は、継代培養で不定根を分化した。この不定根は、1/2MS培地にIAA(1.0mg/l)を添加した液体培地を用いて暗黒条件下で振盪培養することで根を増殖し続けた。また、これらの不定根からカルス形成を経由することで不定芽や幼植物体を誘導できた。
日本森林学会の論文
1994-07-01