高切込み研削に関する研究(第1報) : 接触面における研削抵抗分布と研削抵抗の特性

概要

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砥石と工作物の接触面で研削抵抗が連続的に分布するという仮定を前提に, 接触面における研削抵抗分布という概念を導入した。この分布を接触面で積分すると, 発生する研削抵抗となる。この分布を理論的に解析すると同時に, 実験的にも検討した。その結果, このような概念に基づいて高切込み研削における研削抵抗特性を解析することの有効性が認められ, 次の結論を得た。(1)研削抵抗の水平(X)方向分布は砥石の最下点(Y=0)で無限大に近づくが, Y値の増加と共に急減し, やがてほぼ一定値と見なせる領域に達する。垂直(Y)方向分布はX値に対しほぼ直線的に増大する。(2)水平及び垂直方向分布より, 接触面に対する法線及び接線方向分布が求まる。法線及び接線方向分布は共に, 接触弧に沿ってほぼ線形に増大する。研削方向によって水平あるいは垂直方向研削抵抗が異なる主な原因は, 接線方向分布のベクトル方向が逆転するためである。
公益社団法人精密工学会の論文
1980-04-05