施肥要素が異なる米の炊飯時の性状と飯の食味

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1. No.3の無窒素区の米は精白歩留まりが低く, 精白米の吸水率は高く, 沸騰開始時残存液中の全糖量は少なかった。軟らかくて粘りの強いテクスチャーを示し, 官能検査で有意に好まれた。2. No.4の無リン酸区の米は, 精白歩留まりが高く, 沸騰開始時残存液中の全糖量は多く, 80%エタノールにより抽出されるシュクロースの量も多く測定された。かたくて, 粘りのないテクスチャーで, 官能検査でも有意に好まれなかった。リン酸を加えない場合の食味への影響は大きいものと考えられた。3. 他の肥料区の米はいくつかの測定項目で, 基準としたNo.7との差異を示したが, 官能検査における総合評価ではすべて有意の差は認められなかった。無肥料, 石炭のみ, 無カリ, 無石灰などの肥料設計でも食味には問題はなかった。また, 堆肥を加えたNo.8, 9は基準試料を上回る性状, 食味にはならなかった。今回の実験では, 基準試料と同一条件でのとう精であったためNo.3はとう精度が高く, No.4はとう精度が低いという結果となった。この歩留まりの違いが食味に影響を与えた可能性は十分考えられるが, このとう精度の違いも米の持つ1つの食味評価の指標とすることもできよう。すなわち, 同一条件で精米した時良食味の米は精白歩留まりが低く, 食味の劣る米は精白歩留まりが高い傾向にあるということである。この点については, 今後サンプル数を増やしての実験を行いたいと考えている。また, 本実験のために提供を受けた試料のうち, 無肥料(No.1), 石灰単用(No.2), 無窒素(No.3), 無リン酸(No.4)の収量は極めて低く, 堆肥を加えたNo.8, No.9は基準を上回る収量であったということであり, 現実には収量との関係も無視できない。総合的な判断が求められるところであろう。
1998-11-20

施肥要素が異なる米の炊飯時の性状と飯の食味

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