市販国産小麦粉の糊化特性と製菓への利用について
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概要
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市販国産小麦粉の製菓への利用を検討するために, 2種の輸入後製粉した粉(バイオレット, カメリヤ)とうどん用として市販されている3種の国産小麦粉(白麦, 上州, 南部)の一般成分・糊化特性等を測定後, それらを用いてスポンジケーキ・パイおよびシューを作製しその品質を比較検討した。その結果次の事が明らかとなった。(1) 3種の市販国産小麦粉のうち2種は薄力粉, 1種は準強力粉タイプであった。これらの粉の特徴として, 粒度が粗いこと, 遊離脂肪酸含量が高いこと, 糊化粘土が高く糊化時間も短いことおよび冷却ゲルが柔らかく, 付着性に富む事などが挙げられた。(2) 国産小麦粉のスポンジケーキはきめが粗く, 不均一であり外観はバイオレットに劣るが, 上州を用いたケーキは比容積, かたさや味に差はなく, バイオレットと同程度に好まれた。(3) 国産小麦粉の上州のパイは, 膨化程度や歯もろさなどの面からは(カメリヤ+バイオレット)との間に有意な差はなく, 添加水分や焙焼条件の工夫により, それに匹敵する製品が出来ることが明らかとなった。(4) 国産小麦粉のシューの膨化程度は3種ともバイオレットと同程度であり, 味を含めた総合評価でもバイオレットとの間に有意な差はみられなかった。
- 1995-02-20
著者
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