つなぎの違いによるそぱ切りの経時的変化

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1)小麦粉つなぎのそば切りは、保存時間0の破断エネルギーならびにひずみが他のつなぎに比べて大きく、その経時的変化も大きい。特に5℃保存で顕著であった。一方、硬さでは顕著な特徴は観察されなかったことから他のつなぎに比べて切れにくく、伸展しやすいと思われる。2)卵のつなぎのそば切りは、硬さが保存時間0から6時間まで最大を示した。これは走査型電子顕微鏡において粒子の密度が高かったことと一致した。一方、破断エネルギーが大きい割にひずみが小さい値を示したことから、硬いが伸展性が小さいことが明らかになった。3)ともつなぎならびに芋つなぎのそば切りは、硬さ、破断エネルギーならびにひずみが小さいことから、切れやすいと考えられる。特にともつなぎは、ニュートン体の粘性率が芋つなぎよりも小さいことから、粘りがなく、芋つなぎよりも切れやすいと思われる。4)走査型電子顕微鏡による組織学的な観察の結果、つなぎとして、小麦粉、いちょう芋、鶏卵をそれぞれ用いることにより、そばでん粉粒子の経時的変化が少ないことが分かった。5)官能検査の結果、強弱テストでは4種のそば切りともかたさと客観測定値の硬さの相関がみられた。嗜好テストでは、いずれの項目の評価も経時的に下降傾向にあった。嗜好テストのかたさと客観測定値の硬さでも、ともつなぎ以外で相関がみられ、卵つなぎではかみごたえと凝集性でも相関がみられた。
日本調理科学会の論文
1990-11-20

つなぎの違いによるそぱ切りの経時的変化

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