市販抹茶の価格と品質および起泡性との関係について
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概要
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製造元(5社)と価格(各5段階)の異なる市販抹茶25種類について,化学成分,色,粒度,起泡性の測定を行い下記のような結果を得た。1. 全窒素量はいずれの製造元も,価格が高くなるほど含有量は多く価格との間には高い相関がみられたが,含有量は製造元によりかなり差があった。2. タンニンはいずれのメーカーも価格が高いものほど少ない傾向はみられるが,全窒素同様,同一価格でも製造元によりかなりの差があった。可溶分は価格が高いものほど多くなる傾向がみられた。3. 色は,いずれのメーカーについても価格が高くなるほど,b/a値は大きくなる傾向があり,色の度合いは製造元によって幾分差がみられた。4. 泡立ちは製造元によって差があり,多いものと少ないものでは2倍もの開きがあるが,泡立ちと価格との間に特に関連はみられない。泡立ちには抹茶の粒度が深く関わっているものと推察される。5. 粒度と価格との間に関連は見られなかった。6. 全国のテパートなどで販売されているいわゆるブランド茶は,旨味成分が少なく逆に渋味成分が多く,緑色はやや鮮やかさに欠ける傾向がみられた。終わりに,御校閲いただいた,奈良女子大学名誉教授の梶田武俊教授ならびに比表面積の測定にご協力を頂いた京都府立茶業研究所の牧秀樹氏に感謝申し上げます。なお,本報告は日本調理科学会平成9年度大会において口頭発表したものである。
- 2002-08-20
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