看護短大3年時と卒後2年目の内的作業モデル
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概要
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本研究の目的は対人的環境が大きく変る青年後期から成人期初期にかけて,女性の内的作業モデル(IWM)は変化するのかを,以前の研究(山岸,1997)より多くのデータで,また看護職への就職の前後の時期において,縦断的データに基づいて検討することである。看護短大3年時に行った質問紙調査を,その約2年後(多くの者は看護職について2年目)に再度実施し,その両方に回答した134名について,1)2年経過する中でIWM及び現在の自分や過去の自分,両親のとらえ方がどう変化するか(しないか),2)IWMと他の変数との関連の仕方は変わるのかについて統計的な分析を行った。主な結果は次の通り:1)IWM,各時期の適応感,エゴグラム,両親の養育態度の認知とも,短大3年時と2年後の2時点間の相関係数は.4台から.7台であり,2年を経ても安定性はかなり高かった。2)2時点の平均値に関しては,安定得点に関しては有意差はなかったが,アンビバレント得点が短大3年時の方が有意に高く,回避得点は卒後2年目の方が有意に高かった。またエゴグラムの現実性も上昇しており,看護職として就職し成人期初期の経験をもつことと,対人的不安の減少や「他者と親しくなるのを避ける」傾向の増加,現実に客観的に対処する傾向が関連することが示された。3)IWMと他の変数との関係に関しては,2時点での違いは少なく,2年経過しても関連が変るということはなかった。
- 順天堂大学の論文
- 1998-03-29
著者
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