<原著論文>現代青年の規範意識の稀薄性の発達的意味
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概要
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青少年の規範意識の稀薄化やそれに伴う問題が様々な形で指摘され,教育上の大きな問題になっている。それらにどう対処するかを考えるためには,規範意識は如何に発達し,青年期にはどのようであるのか,そして現代の青年は様々な規範をどうとらえているのかをより詳しく検討することが必要になる。本稿では,まず現代青年の規範意識の稀薄化の実態をいくつかの調査結果に基づいて示し,次に道徳性の発達に関する心理学の3つの理論-精神分析理論,社会的学習理論,認知発達理論-が,規範意識の発達をどのようにとらえ,青年期の規範意識をどのようなものとして考えているか,その考え方や研究の概観を行った。更に現代青年の規範意識の稀薄性が発達的にどのように考えられるかについて考察を行い,それが幼児期からのしつけや対人関係上の問題に由来し,発達的に問題を孕むとするとらえ方と,規範の理解が進み,守る必要性や規範の重要性を自分で考えて判断しようとしていることの現れとする考え方があることを論じた。
- 順天堂大学の論文
- 2002-03-29
著者
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