向社会性の発達を促す経験と教育 : Child Development Projectの理論と実践
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概要
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Child Development Project (CDP)はDevelopmental Studies Centerで組織され,USAのいくつかの小学校で実践されている学校教育に関するプロジェクトで,道徳的・社会的・知的発達を促すこと,特に向社会的な価値-公正,思いやり,責任,親切など-の学習や,向社会的な性格の発達が目指されている。本稿はCDPが何を発達と考えているのか,その発達を促すためにどのような経験を必要と考え,それを学校教育に取入れるためにどのようなプログラムを作成しているかについて,他の理論-特にコールバーグ理論-と比較しながら,その特徴を論じるものである。CDPの特徴は,1)向社会性を考える際に達成や自己決定への欲求が考慮されていること,2)発達を促す要因が認知・感情・動機・行動の側面からとらえられ,特に動機づけへの考慮が大きいこと,3)子供自らに考えさせ話合わせることと同時に,大人が価値を示し教授することや,望ましい環境を準備すること,実践の機会を与えて実際に行動させることが重視されている点にあるといえる。CDPのプログラムは5つの要因にまとめられているが,それはこのような観点に基づくものであるといえる。
- 1993-03-25
著者
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