子供の死の概念の発達 : 認知発達による変化と大人の考え方への同化の観点から
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概要
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子供の死の理解は一般的な認知発達と関連させて考えられることが多いが,本研究では認知発達による変化と大人-文化がもつ死に対する考え方への同化の2つの観点から検討を行った。死の理解として1)死の客観的・現実的な属性-死の普遍性,機能の停止,非可逆性-の理解,2)死後観,3)一般的な死の理解,4)それらをもとに形成されるより主観的な「死」のイメージをとりあげ,幼・児童期の発達を検討した。保育園年長児23名,小学校1年生34名,3年生32名,5年生34名,更に大人の考え方を見るために大学生54名を被験者として,質間紙調査(幼児のみ個別面接)を実施した。その結果,年齢的変化の中には,前操作的段階から具体的操作への移行という認知的発達に基づくと考えられる部分と,認知的発達にそぐわない部分(必ずしも客観的・論理的とはいえない方向への変化)があることが示された。そして後者は,他の項目と比べると大学生のとらえ方の一致度が低い傾向が見られた。客観的・論理的ではないが否定しない大人もいるアンビバレントな考え方に関しては,子供のとらえ方はゆれ動くことが示唆された。
- 1995-03-25
著者
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