児童における対人的交渉方略と適応感,仲間からの評定の関連

概要

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社会的認知の発達と社会的適応の関連を見るために,小学6年生193名に対し,1)セルマン理論に基づく対人的交渉方略-対人的葛藤に際しどのように解決しようとするか,2)学校での適応感-学校生活や友人関係をどう感じているか,3)仲間評定-対人的葛藤の解決の仕方と関連すると考えられる行動特性をもっと仲間から考えられているか,を質問紙法で測定し,それらの関連の検討を行った。主な結果は次の通り:1)対人的交渉方略と適応感との関連に関しては,男女とも協調的な方略やレベル3と学校適応が有意に関連しており,対人的交渉方略の発達レベルが高い者が適応的であろうという仮説に合致する結果であった。男子では他者変化志向の発達レベルと学校適応とが関連していた。友人関係は男女とも権威に頼る方略とマイナスに関連し,更に男子は譲ってしまうことや自己主張することが関連する一方,女子は協調的方略を使うかどうかが関連していた。2)対人的交渉方略と仲間による評定との関連は弱かった。3)男子では仲間評定と友人関係の適応感が関連しているのに対し,女子では関連しないことが示された。
1997-03-29