茅葺き民家集落の景観保全に対する住民意識
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概要
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高度経済成長に伴い,昭和40年前後を境にして,農村景観は著しく変化した。都市と農村の格差が縮められ,農村が豊かになっていくにつれ,かつてみられた農村独特の住居は姿を消し,地域ごとの個性が失われつつある。農村景観とは地域の自然や風土を土台として,集落で暮らし続けてきた人々の毎日の生活が積み重なってできあがったものである。本研究では,かつての農村集落でごく一般的にみられた茅葺き民家集落に焦点を当てながら,集落の現状や住民意識をもとに集落景観保全の意義と課題を検討した。農村集落の茅葺き民家は日本の伝統的遺産であり,伝統的な生活が失われつつある今日,農村活性化のためにも集落景観を保全する意義は大きいものがある。保全にあたっては,(1)住民のコンセンサスの獲得と組織づくり,(2)行政の支援体制の強化,(3)協定等による住民から理解の得やすいルールの構築が課題として挙げられる。加えて,観光客や新規居住者の受け入れ体制の整備も必要である。
- 岐阜大学の論文
- 1998-12-26
著者
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