中山間地域に立地する農業公園の実態と整備課題 : 岐阜県高鷲村の事例

概要

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農業公園は農村活性化を担う施設として期待されている。全国各地で農業公園の開設が進んでいるが,その種類,形態は多様であり,現在のところ明確な定義は見られない。事例から共通に見られる農業公園の鍵となる概念は,「農業や自然を通して,公園開設者,地元住民,都市住民が一体的に交流できる公園」である。本研究は,岐阜県高鷲村の典型的な中山同地域に立地する農業公園を対象に,開設者及び利用者の両面から実態を明らかにし,公園整備における課題を検討した。公園の管理運営状況は開設者へのインタビュー調査によって,利用状況や利用者の公園に対する評価はアンケート調査によって得た。公園は地元に経済的に大きな影響を与えている。利用者の公園に対する満足度は高く,今後の来場意向も強いことから,公園の意義は高く評価できる。しかし,地元住民との関わりが薄いこと,施設整備内容やサービスが利用者のニーズに合致していないこと,農業に関するアピールが乏しいことなど中山間の農業公園としての機能を十分に活かせていない点も見られた。今後は地元住民の理解協力を得ながら,農業的な公園機能の強化が望まれる。
岐阜大学の論文
1998-12-26