マダイの鰓および偽鰓の微細構造

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養殖場で飼育されたマダイ(3ヶ月および1年魚)50例を用い,鰓と偽鰓について,光顕ならびに電顕的検索を行い,以下の結果を得た。1.正常な鰓は,鰓弁の両側に二次鰓弁が多数並び,鰓弁には上皮細胞の他に,塩類細胞や粘液細胞が多数みられた。偽鰓は鰓蓋の内側に存在し,鰓の構造とほぼ類似していたが,二次鰓弁は厚く,毛細血管に沿って両側に好酸性細胞が,規則正しく配列していた。2.鰓のSEM像では,鰓弁の上皮表面に,微小ヒダによる複雑な指紋様構造がみられ,一方二次鰓弁の上皮表面には,微絨毛と微小ヒダによる細胞周囲の縁どり構造がみられた。3.偽鰓のSEM像では,鰓弁と二次鰓弁の上皮表面は,ほぼ同様であった。両者とも微小ヒダによる断続的な渦巻き模様と,細胞周囲の縁どり構造がみられた。4.塩類細胞と偽鰓好酸性細胞の形態的類似性が注目された。前者は外麦に開口し,多数のミトコンドリアと複雑に分岐・吻合した滑面小胞体によって特微づけられた。一方,後者の基本的細胞学的特徴は,前者と同様であったが細胞表面は外表に開口せず,二次鰓弁上皮の深層にあって,毛細血管の両側に規則的に配列していた。5.偽鰓の好酸性細胞は,3ヶ月魚に存在するものと,1年魚に存在するものとでは形態差がみられた。この差異は,メダカやヒラメの塩類細胞における塩類濃度変化に対応する形態所見とよく類似していた。
岐阜大学の論文
1987-12-25

マダイの鰓および偽鰓の微細構造

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