テロリズムに対する闘争 : 世界危機に臨む日本の対応の歴史的総括と新思考
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概要
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米国における同時多発テロ事件の発生が世界を震憾させた。ブッシュ米大統領は本件を「新たな戦争」(New War)と定義し、テロリズムヘの徹底抗戦を宣言した。同大統領が今回のテロ事件を「新たな戦争」と決めつけた意義は、一定のルールに則った20世紀的な国と国との戦争の概念を越えた21世紀的な戦争が始まったというところにある。「一国に対する攻撃は全世界に対する攻撃」であると断じ、直ちに戦闘態勢を整えた。日本も「遅ればせながら」(at the eleventh hour)対応策を講じようとしている。"An attack on one is an attack on all" というブッシュ大統領の演説のフレーズから即興的に借りて彼の演説中に取り入れたという小泉総理の国会答弁を聞くに及び、余りにも不用意な発言に限りない落胆の念を禁じ得なかった筆者である。総理のワシントンでの演説は、従来の憲法解釈を根底から覆す意味内容を包含しており、憲法で禁止しているといわれる「集団的自衛権の行使」を容認するものである。今回の同時多発テロ事件をめぐり日本の国際貢献活動を拘束してきた日本国憲法と国連憲章の矛盾を指摘し、国連加盟国日本の取るべき道は国際法優位の立場を踏まえながら、日本が超憲法的な対応策を採るべき時にきていることを強調した。「時は日本を待ってくれない」、それが日本を取り巻く今日の国際情勢である。
- 信州短期大学の論文
- 2001-12-25
著者
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