キウリ果実の熟度と保蔵中の低温障害の関係
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概要
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1. キウリ果実の生理的な素質と低温障害との関係を見討する目的で, 果実の熟度及び呼吸速度と低温障害との関係について調べた。2. ハウス落合種の植物体の旺盛な生育初期(5月10日)の果実の室温における呼吸は, 開花後日数の小なるもの(10日目)から, 大なるものへ順次減少したが, 開花後極端に老熟した果実(21日目)を収穫した場合再び呼吸は増加した。4℃∿5℃に貯蔵した果実の低温障害は14日目頃から肉眼的に認められるようになり, その後次第に進行したが, 開花後早く収穫した果実ほど障害は著しかった。3. ハウス落合種の, 植物体の衰えた生育末期(6月19日)に収穫した果実の低温障害の傾向も, 植物体が若い時期に収穫した場合とほぼ同様であった。4. 近成四葉種の8月3日収穫した果実の25℃における呼吸は, 開花後4日, 5日, 6日目に収穫した若い果実が著しく大で, 開花後7日以後の果実は小さく, しかも21日目に収穫した極端な老熟果との間にほとんど差異は認められない。全果実とも, 2∿3日の中に減少し, ハウス落合と比べると呼吸の推移が非常に異った。4∿5℃に貯蔵した近成四葉の障害は, 9日目頃から現われ, それ以後もハウス落合に比べて極めて激しかった。ただ収穫期の熟度の異なる果実間の相互の関係はハウス落合と同様で, 若い果実ほど障害が激しかった。5. 近成四葉種の4℃における呼吸は, 開花後4日及び8日目に収穫した果実では, 貯蔵後直ちに増加し, 4日目の果実はそのまま増加を続けたが, 8日目の果実は以後増減しなかった。12日目に収穫した果実は, 15日目頃までゆるやかに減少し, 以後わずかに増加した。
- 神戸大学の論文
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