キュウリ果実の低温障害に対する冷蔵中の一時的加温処理の効果
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概要
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1. キュウリ果実の低温障害を軽減する目的で, 5°C冷蔵中に, 種々の条件下で一時的加温処理を行い, その影響を調べた.2. 18°Cで7時間の加温処理を行った場合, 5°Cへ戻した果実の呼吸量はかなり減少し, 低温障害も非常に抑制された. しかし, 加温処理が遅くなるに従って, これらの効果は小さくなった.冷蔵3日以後, 2日置きに反復処理をした果実の, 呼吸量及び低温障害の抑制は, 更に顕著となった.3. 冷蔵開始から4日後に18°Cの加温処理を行った場合はその時間が長いほど, その後の呼吸量の減少が大きく, 低温障害発生の時期も遅延する傾向を示した. 特に, 24時間以上の処理での効果は著しく大ぎくなった.4. 18°C以上の温度で, 冷蔵4日後に24時間の加温処理を行った結果, 4月収穫果では処理温度が高くなるに従って, その後の呼吸量は低下し, 低温障害の発現も著しく遅延した. そして, 13日間の冷蔵後室温へ出庫し3日間放置した場合, 対照区では果実表面の大部分(60〜90%) が腐敗したのに対し, 18°C及び36°Cで処理した果実の障害は軽徴であった. 更に36°C及び40°Cで処理した果実は極めて高品質に保たれた. しかし,42°Cで処理した果実には高温障害による部分的腐敗が認められた.7月収穫果でも処理温度が高いほど, その後の呼吸量は減少した. 対照区の低温障害は, 4月収穫の場合に比較して激しかったが, 処理による障害抑制の傾向は同様で, 36°C及び40°C処理の果実の品質は良好であった. 42°C処理では, わずかに黄色味を帯びたが, 高温障害による果実の腐敗などの変化は全くなかった.
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