<報告>母子看護学実習におけるリプロダクティブ・ヘルス/ライツに関する教育

概要

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1994年の国際人口開発会議以来, 女性の生涯を通した性と生殖の健康と自己決定権を意味するリプロダクティブ・ヘルス/ライツの概念が普及しつつある。本学の母子看護学(母性)教育は, 妊娠・分娩といった周産期にとどまらず, 女性の生涯にわたる健康という視点を常に学生が持てるように内容を構成している。本報告では, 1998年度に看護学科4年生(44名)が行った, リプロダクティブ・ヘルス/ライツの概念からとらえた女性の健康支援に関する実習の方法と成果について検討した。学生自身が選択したテーマは, 妊産褥婦への支援, 性教育, 更年期女性の健康観やニーズ, 老年期の結婚, 障害をもつ女性の女性性, 性暴力等, 幅広く, また学習方法も多岐にわたっており, 学生の自主性, 積極性および柔軟な思考過程の萌芽がみられた。今後, 大学教育における学習者主体の教育方法を開発していく必要性, 同時に, 教員は, 学生自身が課題を持ち学習に取り組めるように促進するfacilitatorとしての役割をとる重要性が示唆された。