<原著>手指付着coagulase negative staphylococci の菌種と宿主ABO式血液型の関係
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概要
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ヒトの皮膚常在菌の一種であるcoagulasenegative staphylococci(CNS)にはS.epidermidisやS.capitisほか16種が含まれている.宿主のABO式血液型と分離されるCNSの菌種の関係を各血液型宿主より200個ずつのCNSを分離し, API-STAPH法によりそれらの菌種を同定して比較した.A型宿主からはStaphylococcus epidermidisが118株(59%), S.capitisが28株(16%), その他CNSが54株(25%)分離された.B型宿主からはS.epidermidisが146株(73%), 3,S.capitisが8株(4%), その他CNSが46株(23%)分離された.AB型宿主からはS.epidermidisが123株(62%), S.capitisが17株(9%), その他CNSが57株(29%)分離された.すなわち, これら3種類の宿主からはS.epidermidisが50%以上の高率で分離され, S.capitisは16%以下の低率でしか分離されなかった.これに対し0型宿主からはS.epidermidisが50株(25%), S.capitisが49株(25%)とほぼ同率分離され, その他のCNSは101株(50%)分離された.今回はS.capitisがS.epidermidisよりも高率に0型宿主より分離される点に注目し, 原因を解明するために三つの仮説を立てて各種の実験を行った.この結果, S.capitisはS.epidermidisに比較すると0型的性状を示すニワトリ赤血球に結合しやすいことや, 0型特異糖であるfucoseを利用しやすいことなどが明らかとなった.これらの結果はS.capitisがS.epidermidisに比較すると0型宿主に定着しやすいことを示唆すると考えられた.
- 2001-08-25
著者
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美祢 弘子
川崎医療福祉大学医療技術学部臨床栄養学科
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河原 和枝
川崎医療福祉大学医療技術学部臨床栄養学科
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美祢 弘子
川崎医療福祉大・臨床栄養
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小場 美穂
川崎医科大学附属川崎病院栄養部
-
小場 美穂
川崎医療福祉大学 臨床栄養
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