<原著>Staphylococcus epidermidisの産生するproteaseの性状について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
健康なヒトの右手人差し指から90株のStaphylococcus epidermidisを分離した.CaCl_2-カゼイン平板法によってprotease産生量の測定をおこなったところ, 90株中84株(93.3%)が活性を示した.活性の最も強かったUNO67株を選び以後の実験に使用した.UNO67株の培養上清をprotease液として生化学的性状の検査をおこなった.まず最初にproteaseの耐熱性テストをおこなった.70℃1C分間の加熱処理でprotease活性が完全に失われることから, 本proteaseは易熱性であると判定した.次にproteaseのpH依存性を調べたところ至適pHは広い中性域であった(pH5〜9).Protease活性はEDTA, phosphoramidon, phenanthrolineおよびHgCl_2によって阻害されNEM, pepstatinAおよびSBTIでは阻害を受けないことから, 本proteaseはmetaroproteaseであると判定した.定性的な金属インディケーター(メルコクアント)により含有金属種を検討したところAl, Co, Cu, Fe, MnおよびPbに対する反応は陰性であったがZnに対する反応だけは陽性であった.透析したUNO67株の培養上清をDEAE-Sephadexを用いて精製した.Protease活性は0.2MI KClで溶出される画分に局在していたため, この画分を凍結乾燥し精製proteaseとした, ProteaseはSDS-PAGEにより一本のタンパク質バンドとなり, 精製されていることが示された.
- 川崎医療福祉大学の論文
- 1999-06-25
著者
関連論文
- 大学入試における選抜方法についての研究
- Candida albicans の二形性変換に及ぼすアミノ酸の影響
- スーパー次亜水による生食野菜類の殺菌(川崎医療福祉学会第29回研究集会)
- Candida albicans Aspartic Proteinaseの簡易検出法
- Candida albicans の家兎摘出食道粘膜への定着性状
- Candida albicans 菌体由来多糖によるマウス耳の炎症について
- フクシン染色によるStaphylococcus epidermidisの産生する粘着物質(Slime) 量の測定
- セフラジン(CED)による S. epidermidis のプラスチック機器への接着阻止
- Staphylococcus epidermidis 表層タンパク質の抽出と接着活性測定法の検討
- コアグラーゼ陰性ブドウ球菌のslime産生量に及ぼす茶類の影響
- 手指付着coagulase negative staphylococci の菌種と宿主ABO式血液型の関係
- プロテアーゼを産生する空中落下菌の分離と性状検査
- 分離Bacillusの同定およびプロテアーゼ産生条件の検討
- 手指付着Staphylococcus epidermidisの薬剤耐性について
- Staphylococcus epidermidis菌体外濾液を用いたタンパク質分解活性改良測定法の検討
- コアグラーゼ陰性ブドウ球菌の既知組成培地に関する研究
- 担子菌マルミノヒトヨタケの交配系と子実体形成条件の検討
- Staphylococcus epidermidisの産生するproteaseの性状について
- 加齢による手指付着Coagulase Negative Staphylococciの性状変化
- Bacillus subtilis MT-19 株の産生するプロテアーゼの部分精製と性状検査
- Pleodorina Californica の細胞分裂過程および細胞配列の解析
- Pleodorina Californicaにおける細胞分化