<原著>コアグラーゼ陰性ブドウ球菌のslime産生量に及ぼす茶類の影響
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概要
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最近日和見感染症の原因として, コアグラ一ゼ陰性ブドウ球菌(CNS)の産生するslimeが重要であるとされ多くの研究が行われるようになった.しかし, これまでの研究におけるslime量の測定は, 肉眼による定性的な判定に基づくものであった。そこで我々は, slime量の定量的な測定法の確立を試みた,まずプレートの種類, 培地の種類, 培地組成などを比較しslime量測定の最適条件を設定した.フクシン液でslimeを染色した後に加熱PBS(-)でプレート壁に付着したslimeを溶出させ, 測定した吸光度(A_492nm)を相対的なslime量とした.次に, 分離・同定した各種CNSのslime産生量を, 上記の方法に基づき測定・比較した.この結果, CNSの中でも特にStaphylococcus epidermidisの産生するslime量が多いことが示唆された.一方, 我々は茶類が低濃度でもCNSの増殖を阻止することを見出していたため, これら茶類(日本茶・紅茶など)及びその構成成分であるtannic acidやcaffeinなどがslime産生にどのような影響を及ぼすかについて検討を行った。その結果, サブリーサル濃度において日本茶, 紅茶, tannic acidによるslime産生量の低下がみられた.さらにtannic acidの類縁化合物であり, 化学構造の明瞭な5種のcatechin類について同実験を行うと, (-)epigallocatechin gallate(EGCg), (-)epicatechin gallate(ECg)の2種のcatechinでも同様にslime産生量を低下させた.
- 2000-06-26
著者
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美祢 弘子
川崎医療福祉大学医療技術学部臨床栄養学科
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美祢 弘子
川崎医療福祉大・臨床栄養
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尾池 麗
川崎医療福祉大学医療技術学研究科臨床栄養学専攻
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日笠 友美
川崎医療福祉大学大学院医療技術学研究科
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日笠 友美
川崎医療福祉大学医療技術学研究科臨床栄養学専攻
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