デンプンの消化性に与えるグアーガムの影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
糊化後のデンプン粒の構造とデンプンの消化性の関係について研究した.まず,デンプンのみで,加熱温度がデンプンの消化性に与える影響を検討した.その結果,デンプンの消化率は,50℃から60℃の加熱処理で大きな上昇が観察され,80℃加熱処理まで高くなった.次に,グアーガムが糊化後のデンプン粒の構造に与える影響について,共焦点レーザー走査顕微鏡を用いて検討した.その結果,グアーガムを添加した場合,デンプン粒からデンプン構成成分は溶出せずにとどまっている状態が観察された.さらに,グアーガム加熱前添加と加熱後添加の条件で,グアーガム濃度とデンプンの消化性との関係を検討した.その結果,グアーガム濃度が高くなるとslowly digestible starch(SDS)の割合は増加し,グアーガムの添加方法の違いでSDSの割合に違いはみられなかった.以上のことから,グアーガムの濃度を高くするとデンプンの消化性はより抑制されるが,糊化後のデンプン粒の構造はデンプンの消化性にほとんど影響を与えないと考えられた.
著者
-
長野 隆男
川崎医療福祉大学 医療技術学部 臨床栄養学科
-
河原 和枝
川崎医療福祉大学医療技術学部臨床栄養学科
-
長野 隆男
川崎医療福祉大学医療技術学部臨床栄養学科
-
樋渡 友美
川崎医療福祉大学大学院医療技術学研究科臨床栄養学専攻
-
樋渡 友美
川崎医療福祉大学医療技術学研究科臨床栄養学専攻
関連論文
- 植物タンパク質
- 豆腐と塩類
- 胃切除術後の外来患者における食事摂取状況と栄養状態に関する研究
- スーパー次亜水による生食野菜類の殺菌(川崎医療福祉学会第29回研究集会)
- B10.Aマウスを用いた小麦依存性運動誘発アナフィラキシーモデル系の作製
- グリアジンの経口投与量が小麦依存性運動誘発アナフィラキシーに与える影響
- デンプンの消化性に与えるグアーガムの影響
- 手指付着coagulase negative staphylococci の菌種と宿主ABO式血液型の関係
- 摂食・嚥下しやすい米飯調製の試み
- L-カルニチンの脂肪酸に対する心筋ミトコンドリア保護作用