ある重度・重複障害児の身振りサインの形成
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概要
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A子(17才)は,先天性心臓病があり,歩行できない。理解言語は4才程度の水準であるが,泣く時も声を出さず,音声言語はない。5才頃から,排泄・食事・挨拶を身振りで表示した。小・中学校の特殊学級に所属し,身振りサインが飛躍的に増加した。筆者はA子と断続的に,9年間接することができた。そこでA子の身振りサインを収集し,整理を試みた。その結果,A子の身振りサインは(1)身体衛生・学習・動物に関する事が多い。(2)話題への参加を意図して表示される事が多い。(3)最も増加した時期は,体調がよく,立ち膝姿勢で移動を開始し手先きの仕事を積極的に行うようになった小学校高学年である。(4)サインは,対象物を直接指さしたり,その動きを手で模写したものが大半である。(5)他児の身振りサインと,返事・挨拶・身辺処理の表示の仕方が同じであることなどが,明らかになった。
- 1988-03-15
著者
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