顎関節機能障害の診断学的研究第一報臨床病態について

概要

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顎関節機能障害に対する診断基準を得ることを目的として, 昭和54年4月から昭和58年3月までの4年間に, 当科に来院した顎関節機能障害患者152例の臨床病態について臨床統計的検討を行った。本症患は疼痛を初発症状とする, 20歳代の女性に多く, 症状の初発から来院までの期間に1ヵ月〜6ヵ月と1年〜5年の2つのピークがみられ, その20%は再発症例で, 発症後に症状が自然に消退した後, 再発した症例は52%, 対症療法により症状が消退したが再発した症例は48%であった。又, 患者が自覚していない健側にも, 運動痛・筋の圧痛・雑音が高頻度にみられ, 本症患を診断する場合に主訴側(患側)と同時に健側を含めた左右一対の顎関節として取り扱う必要性が認められ開口域, 開口時の下顎の偏位, 及び雑音発生には相互に関係がみられ, これらは本症患の診断基準の一助として役立つと考えられた。
東北大学の論文
1985-12-31