日本人の上顎小臼歯の弯曲徴について
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概要
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約1,600個体の上顎歯列石膏模型を用いて, 日本人の上顎小臼歯の咬合面および固有咬合面における湾曲徴を調査し, 比較検討した。咬合面および固有咬合面の湾曲徴は, 以下の5型に分類した。(2-型 : 強し)逆弯曲徴を示すもの, 1-型 : 弱い逆弯曲徴を示すもの, 0型 : 弯曲徴が認められないもの, 1+型 : 弱し湾曲徴を示すもの, 2+型 : 強い弯曲徴を示すもの)調査結果は以下の通りである。1)第一小臼歯では逆弯曲徴を示すもの(2-, 1-型)は咬合面90.8%, 固有咬合面97.6%であった。2-型は固有咬合面に出現する傾向が強く(P<0.01), 1-および0型は咬合面に出現する傾向が強かった(P<0.01)。第一小臼歯では咬合面および固有咬合面ともに蛮曲徴を示すもの(1+, 2+型)は存在しなかった。2)第二小臼歯では, 分類した5型のすべての蛮曲徴が認められた。それらの出現傾向は, 咬合面および固有咬合面ともに非常に類似していた。逆弯曲徴を示すもの(2-, 1-型)は咬合面17.8%, 固有咬合面21.2%であったが, 第一小臼歯と同様に2一型は固有咬合面に出現する傾向が強く(P<0.01), また, 1+型は咬合面に出現する傾向が強かった(P<0.01)。3)咬合面および固有咬合面の弯曲徴の出現傾向を第一小臼歯と第二小臼歯相互で比較すると, 咬合面では2-, 1-型は第一小臼歯に, 0,1+, 2+型は第二小臼歯に出現する傾向が強く(P<0.01), 固有咬合面では1-型に有意差が認められなかったことを除いて同様な傾向を示した。4)第一および第二小臼歯それぞれおいて, 同一歯内における咬合面と固有咬合面間の蛮曲徴の出現傾向を相関係数でみると, ともに統計的に有意であったが, 第二小臼歯の相関係数(0.786)は第一小臼歯(0.553)よりも有意に高い値を示した。咬合面および固有咬合面それぞれにおいて, 第一小臼歯と第二小臼歯間の弯曲徴の出現傾向を相関係数でみると, ともに統計的に有意であったが両者の相関係数の値は低く, また有意差は認められなかった(咬合面 : 0.126,固有咬合面 : 0.121)。
- 東北大学の論文
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