日本人の下顎大臼歯のProtostylidについて
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概要
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日本人約500人の歯列模型および遊離歯150本の資料にもとづいて下顎各大臼歯におけるProtostylidの出現率ならびに発達度を調査するとともに, この形象の出現に関する左右同名大臼歯間の相互関係および歯列内の各大臼歯間の相互関係を調査した。各大臼歯におけるProtostylidの出現率はM_1>M_3>M_2の順となり第二大臼歯で最も低い値をしめした。発達度に関してもまた, 第二大臼歯は, 第一および第三大臼歯よりも明らかに劣っていた。歯帯に由来する古い形質であるProtostylidの退化消失に関しては, 最遠心に位置する第三大臼歯の方が第二大臼歯よりもむしろ保守的であった。大臼歯の退化は遠心大臼歯より順次近心大臼歯へ及ぶとする一般的概念は, 下顎大臼歯の歯冠にあらわれるすべての形質に適用できるものではないと考えられた。なおProtostylidには左右同名大臼歯に両側性に出現する傾向がみられるとともに歯列内の各大臼歯に同時出現の傾向もみられた。しかし後者の傾向は前者のそれに比較して弱いものと思われた。
- 東北大学の論文
- 1985-12-25
著者
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