<原著>皮下脂肪厚分布型の検討 : 2,3の統計量にもとづく正規性の検定

概要

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18才から20才までの大学新入学生を対象に腕部, 背部の皮下脂肪厚をpinch caliper法によって測定し, 基本統計量を求めるとともに, 正規性検定とを中心とした解析を行なった。結果は以下のように要約できる。1) 累積度数曲線は最少値から50%ile値までは, 3mm前後の差をもって二部三位間で平行であったが, それ以後は二部位間の差が減少する傾向にあった。2) 二部位の皮脂厚についてモーメント系の尖度, 歪度をraw dataおよび度数分布表から求め, 分位数系の尖度, 歪度を%ile値から求めた。モーメント系の尖度とも, 背部>腕部の順となりなり, いずれもleptokurtic, positive skewnessの様態を示すことがわかった。3) 分位数系の尖度, 歪度はモーメント系に比して尖度, 歪度とも数値は相当に異なり, 負の値を示す場合もあった。4) 尖度.歪度ともその標準誤差との比をt検定で検定した。正規性は度数分布表を用いた上腕部で正規性を認めることができたが, 背部およびraw dataでは正規性は棄却された。5) 二部位の皮脂厚は通常の正規分布よりもむしろ対数正規分というべきタイプのものであることがわかった。
九州大学の論文
1982-03-30