動作前silent periodの出現率について : 第6報 筋収縮の切り換え機構に及ぼす荷重負荷の影響
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概要
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It has been observed that the premotion silent period (P.S.P.) appeared just before a rapid voluntary movement. This phenomenon is believed to be caused by one of the inhibitory discharge from the central nervous system. On the other hand, the silent period is also observed when muscles are relaxed by counter movement. This is called as counter movement silent period (C.S.P.). This present study was designed to investigate how both silent periods (P.S.P. and C.S.P.) were affected by adding relative load of 0%, 15% and 30% of the subject's body weight. These loads were fixed to the waist belt of the subject. Eight healthy males aged 18-24 years were subjected to a series of experiment. They were asked to maintain the posture of standing with flexed knee joint at about 50 degrees on the force plate. In the first condition, they were requested to extend their knee joint responding to a flashing lamp as quickly as possible (Non-counter movement). In the secound condition, they were asked to extend knee joint as quickly as possible with couter movement to a flashing lamp. The EMG activities of M. rectus femoris, M. vastus medialis, M. vastus lateralis and M. biceps femoris were recorded using bipolar surface electorodes. Force curve from a force plate and electorogoniogram were recorded simultaneously. When the relative loads of body weight were increased from 0% to 30%, the following facts were observed. 1)Decrease in the rate of appearance in both silent periods. 2)No changes of the latency and the duration of both silent periods. 3)Prolonged movement time of both silent periods. 4)No change of the muscular of both silent periods. It was suggested in the present experiment that the increase of relative load of body weight would affect minus to the switching mechanism which is desirable to the fast muscular contraction in knee extensors.本研究は、被検者体重の0%・15%・30%負荷を付加した条件下で光刺激に対して垂直方向へ跳躍する反応動作を行わせ、動作前silent periodと意図的な脱力によって出現するsilent periodの筋収縮の切り換え機構が荷重負荷による準備姿勢時筋緊張の変化にともなって、どのように影響されるかを比較検討した。本実験結果は次のようである。 1)非反動動作のsp出現率は、外側広筋・内側広筋とも荷重負荷の増加にともなって減少し、特に外側広筋の30%負荷では0%と15%負荷に比較して有意に減少した。反動動作のsp出現率は、外側広筋・内側広筋とも0%負荷がもっとも高い値を示したが、負荷条件間には有意な差が認められなかった。 2)非反動動作と反動動作のsp出現潜時は、外側広筋・内側広筋とも荷重負荷の増大にともなって遅延する傾向を示したが、負荷条件間には有意な差が認められなかった。 3)非反動動作と反動動作のsp持続時間は、外側広筋・内側広筋とも荷重負荷に関係なくほぼ一定の値を示し、負荷条件間には有意な差が認められなかった。 4)非反動動作と反動動作の動作時間は、荷重負荷の増大にともなって延長し、特に反動動作では、0%と15%負荷に5%水準、0%と30%負荷に1%水準の有意な差が認められた。 5)非反動動作と反動動作の発揮筋力は、力積・平均発揮筋力・筋力上昇率のいずれの指標とも荷重負荷に関係なくほぼ一定の値を示し、負荷条件間には有意な差が認められなかった。 本実験における荷重負荷の増大にともなう筋収縮の切り換えは、神経系機能のsp出現潜時とその持続時間には影響を持たないが、tonic dischargeからphasic dischargeへの円滑な切り換え機構であるsp出現率を低下させ、また筋系機能においては発揮筋力には影響をもたないものの動作時間を延長させる作用のあることが示唆された。
著者
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脇田 裕久
三重大学教育学部
-
八木 規夫
三重大学教育学部
-
長井 健二
三重大学教育学部
-
長井 健二
山形大学教教養部保健体育研究室
-
八木 規夫
三重大学 教育学部
-
長井 健二[他]
三重大学教育学部
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