台湾産スギ材の海抜高の違いによる理学的性質の差異(資料)(林学科)
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概要
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沖縄のような亜熱帯のスギの材質を明らかにするためには温度の影響を調べる必要がある。このため温度と海抜高が密接な関係にあることから, 熱帯から温帯への垂直的森林分布に恵まれた台湾阿里山地域の海抜高の異なる3ケ所からスギ材を採取し, 海抜高の違いによって生じる材質の差異を検討した。このことによって温度が材質に及ぼす影響を推定しようとした。その結果, (1)低海抜高のスギは高海抜高のスギより晩材率および早材気乾比重が高い傾向にある, (2)海抜高が低いほど仮道管長の安定する時期が早い, (3)フィブリル傾角は高海抜高ほど大きい, (4)(3)との関連から, 高海抜高ほど動的比ヤング率は小さい, などがわかった。このような海抜高の違いによる材質の差異はいろいろな環境因子の影響を受けたためだと考えられるが, その中でも温度の影響の占める割合が大きいとも推察できる。この点については, 木部形成の過程, 仮道管の形態変化などの調査ともあわせてさらにはっきりさせる必要がある。
- 琉球大学の論文
- 1977-12-01
著者
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