リュウキュウマツの木部形成に関する研究(第 3 報) : シュートの生長と発達(林学科)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
樹冠の生長と木部形成の間には密接な関係があり, 樹幹での木部形成を理解するためには, シュートの生長と発達について知る必要がある。ここでは, 沖縄本島に生育しているリュウキュウマツを対象に, シュートおよび針葉の伸長パターンについて述べ, 芽の形成過程, シュート頂の形態, 伸長期の観察結果を報告した。1.シュートおよび針葉の伸長パターンをそれぞれFig.1とFig.2に示した。2.芽の形成は2月から始まり, 2月から6月にかけてはえき芽をつくらないりん片葉だけが形成された。えき芽をつくるりん片葉の形成は7月から始まり, 7月から12月にかけての期間に短枝の原基が, 翌1月に長枝の原基が形成された。したがって, 芽の形成期は2月から1月までで, 明らかな休止期は認められなかった。3.シュート頂の形態は芽の形成過程の各段階に応じて変化し, シュート頂は芽の形成の最盛期には突出したドーム状となり, 直径に対する高さの比は0.42∿0.45であるが, 緩慢な時期には平らなドーム状となり, その比は0.15∿0.18に減少した。4.シュートの伸長期は9月から10月と2月下旬から5月上旬の2回認められ, 9月から10月にかけての期間にはえき芽を持たないりん片葉の部分が伸長し, 2月下旬から5月上旬にかけての期間にはえき芽を持つりん片葉の部分が伸長した。
- 琉球大学の論文
- 1980-11-29
著者
関連論文
- 沖縄産スギ材の材質(第 3 報) : 1 年輪内の晩材形成における季節変化(林学科)
- サクラ種子の発芽と化学成分に及ぼす貯蔵条件の影響
- サクラ種子の発芽と成分に及ぼす温度の影響
- 植物染料に関する研究(第 1 報) : ヤマモモの染色性について(林学科)
- 樹冠量が異なるリュウキュウマツの木部形成と年輪構造に関する研究(林学科)
- リュウキュウマツの木部形成に関する研究(第 4 報) : 年輪幅およびその形成経過におよぼす樹冠量の影響(林学科)
- 沖縄に生育するスギ, ヒノキの伸長生長と木部形成(林学科)
- リュウキュウマツの木部形成に関する研究(第 3 報) : シュートの生長と発達(林学科)
- リユウキユウマツの木部形成に関する研究(第 2 報) : 生長輪形成の季節的経過(林学科)
- リュウキュウマツの伸長生長と木部形成(林学科)
- 台湾産スギ材の海抜高の違いによる理学的性質の差異(資料)(林学科)
- 沖縄産スギ材の材質(第 4 報) : 強度的性質(林学科)
- 沖縄産広葉樹材中の結晶と結晶細胞(林学科)
- 新里凝灰岩中の埋土古材について(資料)(林学科)
- イヌマキ古材の抗蟻性について
- 針葉型による沖縄の地スギの特性(資料)(林学科)
- 沖縄産スギ幼令木樹幹および 2 年生枝の仮道管長の変異について(林学科)
- 移入実生スギ材の年輪巾, 晩材率, 気乾比重, 仮道管長について(沖縄産スギ材の材質(第 2 報))(林学科)
- 地スギ材の年輪巾, 晩材率, 気乾比重, 仮道管長について(沖縄産スギ材の材質(第 1 報))(林学科)
- 沖縄産スギ材の材質-1,2-(創立二十周年記念)