沖縄産スギ材の材質(第 4 報) : 強度的性質(林学科)
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概要
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沖縄産スギ材の強度的性質を明らかにするために, 地スギ, 実生スギを対象に, 縦圧縮試験と曲げ試験を行った。1.圧縮強さおよび曲げ破壊係数は地スギ, 実生スギとも樹令の増加とともに, 髄から10年輪目前後まで増加し, その後はほぼ安定する。このことは, 仮道管長が10年輪目あたりから安定することと一致したので, 10年輪前後までを未成熟材, それ以降を成熟材とすることができる。2.圧縮強さを圧縮ヤング率で除した値, および破壊係数を曲げヤング率で除した値は, 地スギ, 実生スギとも他県産スギ材より大きいので, 沖縄産スギ材の特徴であろうと考えられる。また, 未成熟材と成熟材では, 未成熟材の方がこれらの値が大きい。したがって, 未成熟材はヤング率のわりに強度が大きいといえる。3.地スギと実生スギとでは, 地スギの比重が高いこともあって, 強度およびヤング率は地スギの方がすぐれているが, 比強度, 比ヤング率は両者に大差が認められない。4.地スギ, 実生スギとも, 圧縮強さおよび曲げ破壊係数は比重依存性が高いが, 圧縮ヤング率および曲げヤング率は比重依存性が低い。
- 琉球大学の論文
- 1976-12-01
著者
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