地域看護診断を主要な目標とする実習の教育方法の検討
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概要
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近年、地域看護診断(もしくは地区診断)は、看護教育の大学化の進展に伴い実際に学習する機会が減少しているといわれている。しかし、本学においては実習地の協力を得て、既存資料・地区踏査・住民面接の3つの手段からの情報により地区の健康課題を抽出し、地域看護活動計画を立案する実習を、3年生対象の必修科目として配置している。本研究は、地域看護診断の効果的な教育方法を明確にしていくために、平成14年度に本学で実施した地域看護診断を主要な目標とする実習について、学生の実習成果の分析を行い、本学における地域看護診断に関する教育方法の有効性について検討を行うことを目的とした。その結果、学生の実習成果について以下の4点の結果を得た。1.地域看護診断過程の能力向上、2.地域看護の役割・方法の理解の深化、3.自己肯定感の向上、4.実習の満足感を理解の深化によるものと理解できた学生の存在。以上の学生の実習成果から、地域看護診断の教育方法に実習を取り入れたことは学生の理解を深めるうえで有効であったと考えられた。また、このような教育方法を実践していくためには、教育カリキュラムの構築及び実習地との協力体制が不可欠であることが再確認された。また、今後の教育方法の課題として、1.編入学生のカリキュラム上の課題、2.地域看護診断に関する講義・演習上の課題、3.学生が自己の満足感の理由を意識化できるような指導方法の一層の確立、があると考えられた。
- 山形県立保健医療大学の論文
- 2003-03-01
著者
-
後藤 順子
山形県立保健医療大学
-
市川 禮子
山形県立保健医療大学
-
平塚 朝子
山形県立保健医療大学
-
後藤 順子
小川クリニック
-
市川 禮子
山形県立保健医療大学(前)
-
平塚 朝子
山形県立保健医療大学(前)
-
菅原 京子
山形県立保健医療大学
-
渡會 睦子
山形県立保健医療大学
-
後藤 順子
真室川町保健医療課
-
菅原 京子
山形県立保健医療大学 看護学科
-
菅原 京子
山形県立保健医療大学看護学科
-
後藤 順子
山形県立保健医療大学 保健医療学部看護学科
-
渡會 睦子
東京医療保健大学看護学部
-
渡會 睦子
東京医療保健大学医療保健学部
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