遺伝子組換え活性型第VII因子製剤の持続輸注が奏功した血友病Aインヒビターの下顎咽頭軟部組織出血
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概要
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抜歯後の下顎咽頭軟部組織出血により生命危機に瀕した血友病Aインヒビター患者の止血管理として, 遺伝子組換え活性型第VII因子 (rFVIIa) 製剤の持続輸注を行った. 患者は高力価 (640 BU) のインヒビターを保有しており, プロトロンビン複合体製剤 (PCC) 50 U/kgの投与下に左上下智歯の抜歯を行ったが, 顎下軟部組織に徐々に血腫を形成した. さらにPCC 50 U/kgを2回追加投与したが, 止血効果は一時的であり, 咽頭へ増大した血腫は気道を圧迫し, 抜歯19時間後, 窒息に至った. 活性型PCC 50 U/kg投与下に気管切開を施行したが, 術後, 気管切開部から再出血をきたすとともに血腫はさらに増大した. 緊急措置としてrFVIIaの持続輸注を行った. rFVIIa 120 μg/kgをボーラス投与後, 30 μg/kg/hで持続静脈内投与し, トラネキサム酸1gを6時間ごとに静脈内投与した. 持続輸注開始後, 気管切開部は止血し, 血腫は速やかに縮小した. 本症例の重症出血は, 従来のバイパス療法の止血効果は一過性で不十分であったが, rFVIIaの持続投与が著効を示した.
- 日本血栓止血学会の論文
- 2001-02-01
著者
-
福武 勝幸
東京医科大学臨床検査医学講座
-
天野 景裕
東京医科大学臨床検査医学科
-
新井 盛夫
東京医科大学臨床病理学教室
-
西田 恭治
東京医科大学臨床検査医学講座
-
新井 盛夫
ノボノルディスクファーマ(株)止血開発企画部
-
藤田 進
東京医科大学 臨床検査医学講座
-
西田 恭治
東京医科大学
-
渡辺 潤
東京医科大学臨床病理学教室
-
天野 景裕
東京医科大学病院臨床検査医学講座
-
天野 景裕
東京医科大学 臨床検査医学講座
-
天野 景裕
東京医科大学 第2外科
-
守谷 研二
東京医科大学臨床検査医学講座
-
新井 盛夫
東京医科大学臨床検査医学講座
-
藤田 進
東京医科大学臨床検査医学講座
-
福武 勝幸
東京医科大学
-
西田 恭治
東京医科大学 臨床検査医学科
-
西田 恭治
東京医科大学臨床検査医学科
-
新井 盛大
ノボ ノルディスク ファーマ株式会社 開発本部
-
新井 盛夫
東京医科大学 臨床検査医学講座
-
新井 盛夫
東京医科大学 臨床検査医学
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