梅肉エキスの有機酸,遊離アミノ酸と糖の組成および調製過程における遊離アミノ酸と糖の変化
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1) 梅肉エキスは, pH 3付近の黒褐色ペースト状物質であり, 1kgのウメから43g得られた。<BR>2) 梅肉エキスはクエン酸とリンゴ酸を主とする40〜50%の有機酸, フルクトースとグルコースとソルビトールとを主とする2〜3%の糖と糖アルコールおよびアスパラギンとアスパラギン酸を主とする0.5〜1%の遊離アミノ酸を含有していた。<BR>3) 遊離アミノ酸量は, 濃縮の最終段階で急激に減少し, 出発時の17%になった。この際同時に, 急速な褐色化と還元糖の減少も起きたことからアミノカルボニル反応が進行したものと考えられる。<BR>4) ウメ果汁中でアミノ酸の87%を占めるアスパラギンは, 濃縮の最終段階で急激に減少し, アスパラギン酸が増加したが, それでもなお, 梅肉エキスにおいても最多成分で65%を占めた。<BR>5) 可視吸収スペクトルには, クロロフィル由来のフェオフィチンaに帰属できる吸収極大が観察された。
- 社団法人 日本栄養・食糧学会の論文
- 1995-06-10
著者
関連論文
- 果実酒の熟成(第IV報) : プラム酒における研究
- 果実酒の熟成(第I報) : 梅酒およびレモン酒における糖の転化
- 東京湾魚介類のPCB汚染について
- 東京湾魚介類のスズ汚染について
- 低温低速オーブンで加熱調理した牛腿肉の性状
- アルカリイオン水の物理化学的性質
- 各種電気炊飯器で炊いた米飯中の還元糖量の比較
- 低温低速オーブンを用いたイワシの調理(II) : 骨の軟化に及ぼす付加液(水,ワイン,茶浸出液)の影響
- 低温低速オーブンを用いたイワシの調理(I) : 骨の軟化に効果的な調理条件の検討
- ビワポリフェノールの抗酸化作用およびプロシアニジンのイオウ化分解による重合度の推定
- 低温低速オーブンを用いたイワシの調理(III) : 骨の軟化に及ぼす調理液(水,酢,茶)の影響
- アカモクとスジメの遊離アミノ酸と食品素材としての利用
- ケミルミネッセンス法による食品抽出液の坑酸化能の測定
- アロマセラピー用の精油中に含まれるABS樹脂を侵す成分の同定
- 居住空間における鉢植え植物へのLED照射の効果
- アミノカルボニル反応による着色度の評価に対する側色計と色差計の利用と比較
- フルクトオリゴ糖を用いた酢豚や煮物中での糖の変化
- 電気化学検出器を用いたHPLCによる食品中グルタチオンの定量
- 梅肉エキスに含まれる抗酸化性物質の検索
- 果実酒の熟成について(第VI報) : 室温および加熱カリンリキュール熟成過程における成分変化
- 自家製及び市販品梅肉エキスの諸成分について
- ライギョダマシおよびマジェランアイナメの一般成分および脂肪酸組成
- 常温および加熱ウメリキュール熟成過程におけるスクロースの転化
- NMR分光法を利用した食品物性の研究(II) : パルス^1H-NMRで見た,加熱調理にともなう肉中の水の存在状態の変化
- NMR分光法を利用した食品物性の研究(I) : リキュールの^O-NMRスペクトルにおける,水の酸素核の共鳴吸収線幅とリキュールの熟成との関係
- 果実酒の熟成(第V報) : 四季折々の果実酒
- 果実酒の熟成(第III報) : 梅酒およびクエン酸焼酒溶液中における糖の転化
- 果実酒の熟成(第II報) : 梅果肉酒および梅核酒における糖の転化
- 圧力炊飯による飯の特性
- 市販梅肉エキス中のアミノ酸,有機酸および糖の分析 : 自家製梅肉エキスとの比較検討
- 梅肉エキスの有機酸,遊離アミノ酸と糖の組成および調製過程における遊離アミノ酸と糖の変化