ポンカン(Citrus reticulata Blanco)における部位別炭水化物組成の季節的変動
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概要
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果実の生産性の低さが問題となっている高しょう系ポンカン(<I>Citrus reticulata</I> Blanceo)において,地上部の組織別炭水化物(還元糖,非還元糖,澱粉およびヘミセルロース)組成の季節的変化について,生産性が高いウンシュウミカン(<I>Citrus unshiu</I>Marc.)と比較しながら調査した.<BR>その結果,ポンカンでは木部を除く全ての組織で開花期(5月)から生理落果期の終了時点(7月)まで糖と澱粉の含量が減少し続けた.しかし,その後果実の成熟が進展し,冬季が近づくにつれて炭水化物含量は全ての組織において急激に増加し,12~1月にかけて,ほとんど全ての組織で炭水化物含量が最高値を示した.<BR>また,ポンカンでは新梢と新葉における炭水化物の蓄積パターンと果実の発育との間に高い相関関係が認められ,新梢や新葉の炭水化物含量が低下している期間には果実の発育は緩慢であり,新梢や新葉に炭水化物が急激に蓄積し始めると同時に果実の発育が旺盛になった.これらの結果から,ポンカンではウンシュウミカンに比べて発育中の果実のシンクとしての力が低く新梢や葉および木部から幼果への炭水化物の転流が少ないために,結実性が低く,収量が低いものと考えられた.
- 園芸学会の論文
- 1996-12-15
著者
-
冨永 茂人
Faculty Of Agriculture Kagoshima University
-
冨永 茂人
鹿児島大学農学部
-
Tominaga Shigeto
Kagoshima Univ. Kagoshima Jpn
-
マター メベロ
鹿児島大学農学部
-
小崎 格
鹿児島大学農学部
-
MATAA Mebelo
鹿児島大学農学部
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