地域に住む精神障害者の生活と意見

概要

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平成7年の精神保健及び精神障害者福祉法において、精神障害者の自立と社会参加の促進を図ることが目的とされた。そして精神障害者に対する地域生活及び自立に向けての支援が保健、医療、福祉関係者によって実践され、地域で暮らす精神障害者は増えている状況である。その中で援助を受けている当事者たちは、地域で暮らすことをどのように考えどんな暮らしをしているのだろうか。本研究は地域で暮らしている当事者の生活と暮らしに関する思いや意見を把握し、今後の地域生活支援についての基礎資料とすることを目的とした。対象者は兵庫県及び大阪府下において地域で生活をし、何らかの地域精神保健福祉サービスを受けている精神障害者13名(男性8名、女性5名)である。方法は、半構成的質問紙を用いての面接であり、面接は対象者の許可を得て録音し、内容を質的に分析した。その結果、当事者たちは今の生活が良いととらえ自己のペースで生活のリズムをつけ、日々を過ごしている6病気や障害とうまくつき合うには、服薬し、医師を信頼し、日々を精一杯生きる等自分なりの「こつ」をもっていた。そして人に気をつかうという対人関係におけるコミュニケーションの困難性が表出されたものの、これは他者との心的距離の取り方であり、地域で生活する上の「こつ」と捉えられる。家族との同居の有無にかかわらず家族が最大のサポート源であった。また在宅期間が長い短いにかかわらず、社会に対して病気や障害を理解してほしいと望んでいた。さらにほとんどの男性が、将来には仕事をしたいと述べていた。今後、このデータを基にし、当事者の主体的な生活を支える地域精神保健福祉活動を検討していきたい。

地域に住む精神障害者の生活と意見

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