Colletotrichum higginsianumによるホトケノザおよびスベリヒユ炭疽病 (新称) の発生と病原菌のコマツナに対する病原性確認
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
2010年10月に神奈川県茅ヶ崎市のコマツナ炭疽病甚発生圃場内または周辺のホトケノザとスベリヒユの葉に灰色~褐色の小円斑症状を認め,罹病部からはColletotrichum属菌が高率に分離された。同地のコマツナ・ホトケノザ・スベリヒユ各分離菌を相互接種した結果,各菌とも病徴を再現し,接種菌が再分離された。各分離菌の病原性,形態的特徴およびrDNA-ITS領域の塩基配列の相同性から,分離菌をいずれもColletotrichum higginsianum Saccardoと同定した。以上より,コマツナ炭疽病菌がアブラナ科以外の植物に病原性を有すること,同科以外の植物に寄生する炭疽病菌がコマツナに感染することが明らかになった。また,コマツナ炭疽病菌の伝染環の一つとして周辺野草が役割を果たす可能性が示唆された。ホトケノザとスベリヒユにはColletotrichum属菌による病気は未記録なので炭疽病 (新称) を提案する。
- 関東東山病害虫研究会の論文
著者
-
折原 紀子
神奈川県農業技術センター
-
鍵和田 聡
法政大学生命科学部
-
藤代 岳雄
神奈川県農業総合研究所生物資源
-
堀江 博道
法政大学生命科学部
-
松浦 京子
神奈川県農業技術センター
-
岡本 昌広
神奈川県農業技術センター
-
佐野 真知子
法政大学生命科学部
-
藤代 岳雄
神奈川県農業技術センター
関連論文
- 野菜の病害防除における展着剤活用 (特集 展着剤の活用の実態と今後の課題)
- (49) 本邦未記載のPuccinia psidiiによるオヒアさび病(新称)(平成20年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 東京都奥多摩地域のワサビ栽培における病害の発生状況
- (298) ポインセチアモザイクウイルス(Poinsettia mosaic virus)強毒株のゲノムRNAの全塩基配列(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (2)Colletotrichum higginsianumによるワサビ炭疽病(新称)(関東部会講演要旨,平成19年度地域部会講演要旨)
- (386) DMI剤耐性度の異なるキュウリうどんこ病菌に対する防除効果の評価と耐制度別検出(平成20年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (45) Golovinomyces cichoracearum var. cichoracearumによるオオバナノコギリソウうどんこ病の新発生(平成20年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (128) 熱湯土壌消毒による各種土壌病原菌への効果 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- (402) カブモザイクウイルス, キュウリモザイクウイルス, トマト黄化えそウイルスおよびキュウリ黄化ウイルスのRT-PCRによる検出
- かん水同時施肥法による高糖度トマトの生産安定
- 神奈川県の促成栽培トマトに発生した萎凋症状
- (1)Oidium属Reticuloidium亜属菌によるオミナエシおよびトレニアうどんこ病の新発生(関東部会講演要旨,平成19年度地域部会講演要旨)
- (338) ファイトプラズマゲノムの可塑性(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (332) ポテックスウイルスがNicotiana benthamianaに引き起こす全身枯死に伴うHR様反応(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 病徴の異なるジャガイモXウイルス-OSおよび-BSのタバコにおけるウイルス蓄積量(関東部会講演要旨,平成17年度地域部会講演要旨)
- ポテックスウイルスのNicotiana benthamianaにおけるウイルス蓄積量と枯死反応(関東部会講演要旨,平成17年度地域部会講演要旨)
- キチジョウソウおよびキキョウランに発生した炭疽病(新称)
- トウガンに発生した炭疽病(新称)
- (48) ツルナ黒枯病(新称)およびトマトさび斑病(新称)の発生(平成20年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (38) Colletotrichum orbiculareによるトウガン炭疽病(新称)(平成20年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (22)本邦産スイセンモザイクウイルス(Narcissus mosaic virus)ゲノムRNAの塩基配列(関東部会講演要旨)(平成15年度地域部会講演要旨)
- (362)PVX-OS, -BSの病徴は複製酵素のC末端領域の1アミノ酸によって決定される(平成15年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (361)ジャガイモXウイルスBH分離株のモザイク決定因子(平成15年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (360)オオバコモザイクウイルス(新称)(Plantago asiatica mosaic virus, P1AMV)7分離株の全塩基配列(平成15年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (255)Potexvirus属の種と系統のボーダーライン(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- 土壌還元消毒に伴う残存無機態窒素量を考慮した葉菜類の減肥
- 神奈川県内のネギとタマネギにおけるアイリスイ***ースポットウイルス(IYSV)の感染状況
- 二重管式ヒートパイプを用いた培土消毒装置
- 12 熱水土壌消毒(神奈川方式)による土壌の化学性への影響(関東支部講演会)
- 熱水と土壌還元処理の併用によるトマト萎凋病菌の密度低減効果
- 神奈川県におけるメロンうどんこ病菌のレース分化と市販品種のうどんこ病抵抗性
- 三浦半島におけるメロンうどん粉病菌のレース判別(平成12年度 日本植物病理学会大会 講演要旨)
- ウリ類うどんこ病に対するうどんこ病防除薬剤への各種展着剤の加用効果
- かん水同時施肥栽培における, 葉数にもとづいたキュウリの簡易窒素施肥指標の汎用性
- 温室密閉による高温処理が夏キュウリの生育ならびに病害虫発生におよぼす影響
- 温室密閉による高温処理がキュウリの収量ならびに病害虫の発生抑制に及ぼす影響
- (272) リンゴステムグルービングウイルスのサブゲノムRNA転写開始点の解析(平成17年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 植物防疫基礎講座:植物ウイルスの分類学(10)クロステロウイルス科(Closteroviridae)
- (296)ジャガイモXウイルス3分離株の病徴決定因子(平成16年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (254)本邦産ジャガイモXウイルス3分離株のゲノムRNAの全塩基配列(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (270) シクラメン萎ちょう病菌(Fusarium oxysporum f. sp. cyclaminis)のベノミル耐性菌の出現
- (23) ダイコン白さび病菌の各胞子の野外での形成時期と部位
- (151)抵抗性品種(Ve遺伝子)を侵す日本のトマト半身萎ちょう病菌とアメリカのレース2との比較(平成9年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (70)ダイコン白さび病菌の接種による黒色輪紋症状(ワッカ症)の再現(平成9年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 半促成キュウリのかん水同時施肥栽培における窒素吸収量の推定
- ブバルディア暗斑病(新称)の発生
- ブバルディア暗斑病 (新称) の発生
- 土耕および水耕におけるホウレンソウの成分および生食の食味の差違
- (253)シロクローバモザイクウイルスCA株の全塩基配列とRC株の感染性全長cDNAクローンの構築(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- Potato virus Xの3'非翻訳領域末端のpoly(A)signal様配列を含むステムループ構造はpoly(A)修復に関与しない(関東部会講演要旨)
- (104)ジャガイモXウイルス(PVX)のタバコにモザイクを起こす因子の解析
- シロクローバモザイクウイルス(White clover mosaic virus(WC1MV), Potexvirus)のゲノムRNAの全塩基配列(関東部会講演要旨)
- ジャガイモXウイルス-b(えそ)系統のゲノムRNAの全塩基配列
- ジャガイモXウイルス-o(普通)系統のゲノムRNAの全塩基配列
- ユリから分離されたpotyvirusゲノムRNAの3′末端塩基配列
- Tulip X potexvirusのゲノム構造と系統解析
- (3) ユリから分離したPotyvirusのゲノムの3'末端塩基配列 (関東部会講演要旨)
- 家庭用生ごみ処理装置の開発に関する研究 (第3報) -外部添加微生物の定着性の検討-
- 17-16 微少熱量計による土壌微生物活性測定への理論上の最大増殖速度定数の適用(17.畑地土壌肥よく度)
- モミジガサ炭疽病(新称)の発生
- 撹拌扇が促成トマトの施設内環境に及ぼす影響
- かん水同時施肥栽培における抑制キュウリの窒素吸収量の推定
- 夏キュウリの生育と病虫害発生におよぼす一時的な高温処理の影響
- かん水同時施肥栽培におけるキュウリ半促成作型での増加葉数による窒素吸収量の推定
- 半促成キュウリのかん水同時施肥栽培における葉数をもとにした窒索施肥技術
- 抑制キュウリのかん水同時施肥栽培における葉数をもとにした窒素施肥指標
- かん水同時施肥栽培で栽培した抑制キュウリの解体調査による窒素吸収量推定パラメータの検討
- 7-3 低濃度エタノール処理を用いた土壌還元消毒が土壌病害に及ぼす影響 : エタノール濃度,土壌水分条件および有機酸の効果について(7.土壌病害)
- 新病害, モンステラ炭疽病およびレザーファン黒枯病の発生
- Rhizoctonia solani AG-1 IBによるインパチエンス葉腐病(新称)の発生
- Pythium myriotylum によるキョウオウ立枯病(新称)の発生
- 2010年夏季に東京有明地区で発生したクリ樹の胴枯れ症状
- カラスウリに新発生したOidium属Reticuloidium亜属うどんこ病菌とキュウリに発生する同亜属菌の異同
- アシタバ黒枯病 (新称) および葉腐病 (病原追加) の発生
- コブナグサおよびレイシに発生した炭疽病 (新称)
- Colletotrichum higginsianumによるホトケノザおよびスベリヒユ炭疽病 (新称) の発生と病原菌のコマツナに対する病原性確認
- Golovinomyces cichoracearum var. cichoracearumによるオオバナノコギリソウうどんこ病 (新称) の発生
- ダイコンにおけるトルフェンピラド15%乳剤を用いたナモグリバエおよび白さび病・わっか症に対する同時防除
- 土の微生物学, 服部勉・宮下清貴共著, 養賢堂, 定価2,600円(本体), 1996年7月
- Colletotrichum higginsianum によるホトケノザおよびスベリヒユ炭疽病 (新称)の発生と病原菌のコマツナに対する病原性確認
- ダイコンにおけるトルフェンピラド15%乳剤を用いたナモグリバエおよび白さび病・わっか症に対する同時防除
- コブナグサおよびレイシに発生した炭疽病 (新称)
- 2010年夏季に東京有明地区で発生したクリ樹の胴枯れ症状