日本版Zimbardo Time Perspective Inventory(ZTPI)の因子構造の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
「ある一定の時点における個人の心理的過去および心理的未来についての見解の総体」を時間的展望という(Levin, 1951 猪股訳 1979)。本研究は,時間的展望の個人差を測定する尺度であるZimbardo Time Perspective Inventory(ZTPI)を日本語に翻訳し,原版と同様の5因子構造が得られるかどうか確認することを目的とした。大学生748名を対象に調査を行い,探索的因子分析の結果,未来・現在快楽・現在運命・過去肯定・過去否定の5因子計43項目が見出された。回転前の5因子で全分散を説明する割合は37%であった。確証的因子分析の結果,CFI=.681, GFI=.829, AGFI=.810, RMSEA=.057, AIC=3125.726であった。α係数は.65から.76,再検査信頼性(n=110)は.63から.78(p<.05)の範囲であり,原版に劣らない信頼性が確認された。原版と日本版の項目を比較したところ,日本版の現在快楽は「刺激希求性」の意味合いが強いことと,未来とのつながりがあることが示唆された。妥当性を検討した上で日本版尺度を完成させ,現在進行中である国際比較研究への参加が期待される。
著者
関連論文
- 医療倫理と教育:4ボックス法を用いたMcCormick博士の講義ノート
- 自伝的記憶の安定性―意味記憶との比較(1)―
- 認知符号化法による目撃者の記銘促進(2)
- 認知符号化法による目撃者の記銘促進
- 達人対談 プロファイリングの達人 越智啓太vs.ビートたけし
- 携帯電話で犯罪は防げるか--犯罪心理学の観点から (特集 子どもとケータイ)
- 耐誘導トレーニングによる子どもの被誘導性の減少
- 解離に関する岡野モデルをどう精緻化していけばよいか--岡野論文へのコメント (特集 自己と記憶)
- 心理学的手法を用いた性的虐待被害児童の識別
- アレキシサイミア傾向と攻撃性の関連
- 会話における誤解の理解 : コミュニケーションを円滑にする方法を探る(自主シンポジウムF5)
- 犯罪捜査の心理学の現在と今後 (日本の心理学 これまでとこれから)
- 米国の緩和医療と終末期選択 : オレゴン健康科学大学Richardson博士の講演記録
- 銀行・郵便局強盗の犯行パターン
- 教職大学院におけるティーム・ティ・一チング ―実践と評価、今後の課題―
- K093 教職大学院におけるティームティーチングの実践・評価・課題(口頭セッション15 大学教育1)
- 妨害課題の難易度が長期新近性効果に及ぼす影響(A-5.認知2,A.口頭発表,VI.第7回大会発表要旨)
- 恐怖喚起メッセージと態度変容--恐怖アピールに関する4つのモデル
- 協同想起における協同抑制現象の検討
- 協同想起における協同抑制現象の検討(2) : 再認法を用いて(日本基礎心理学会第23回大会,大会発表要旨)
- PB054 中学生の携帯電話依存傾向についての分析(ポスター発表B,研究発表)
- 知っておきたい用語の解説 4ボックス法(四分割法)
- 遺伝カウンセリングにおけるマン-マシーン・コミュニケーションの可能性 : 米国の家族歴自己入力システムの試み
- 自伝的記憶の安定性--意味記憶との比較(2)
- 三人集団による協同想起 ―話し合いの方略と協同促進効果―
- 三人集団による協同想起の促進・抑制現象
- 自伝的記憶の機能と想起特性
- ポジティブな気分の誘導が問題解決の及ぼす効果
- 学習者のための認知心理学 : 認知心理学から勉強方法を考える
- 自伝的記憶の構造
- 思い出の中の教師 : 自伝的記憶の機能分析
- 顔の偶発記憶におよぼす処理方略と呈示方向の影響 : 幼児の顔写真を用いて
- 「自伝的記憶」研究に求められる視点
- 歴史教材の学習における象徴事例の効果 ― 一面提示・両面提示の比較―
- PF2-42 歴史教材の学習における象徴事例の効果 : 一面提示・両面提示の比較(教授・学習)
- 読み手意識は説明文の質を高めるか
- PA66 ポジティヴな気分が課題の遂行に及ぼす影響(教授・学習,ポスター発表A)
- 読み手からのフィードバックが説明文の産出に及ぼす影響
- PA67 読み手を意識することが説明文の産出に及ぼす影響
- PC17 思い出の中の教師 : 教職志望意識との関わり(2)
- 臨床 E-6 いじめに対する教師の対応
- 思い出の中の教師 : 教職志望意識との関わり
- 733 処理水準と多重資源 : 2次課題法による検討(問題解決,学習6,口頭発表)
- 攻撃性の高さとストレス状況下での行動特性・自律神経活動(平成14年度プロジェクト研究報告(保健学部・保健学研究科))(研究助成金による成果紹介)
- 記憶に及ぼす覚醒度の効果は快・不快感情によって異なる:覚醒度説への反証
- 「教職実践演習」試行の報告と本実施に向けて
- K410 時間的展望と健康行動 : 日本版ジンバルド-時間的展望尺度を用いて(口頭セッション68 健康心理学)
- 高校生を対象とした「心理学」授業の試み(2)授業への期待と評価,授業内容の記憶
- Sheingoldの方法を用いた初期記憶の測定
- 大量殺傷犯人の属性と犯行パターン(1)日本における大量殺傷事件の類型
- 学校教員のリサーチ・リテラシー--統計用語の知識とデータの読み取りに関する基礎調査
- 自己関連付け効果の現在と未来--堀内論文へのコメント (特集 自己と記憶)
- 「自己と記憶」の特集にあたって (特集 自己と記憶)
- 学校教育現場へのピア・サポート導入の可能性--中学校における生徒・教員の調査とピア・サポート実践から
- 高校生を対象とした「心理学」授業の試み
- 教員採用試験におけるロールプレイ面接
- 問題解決の抑制による逆説的侵入効果:単調作業遂行場面での検討
- 対誘導トレーニングによる子どもの被誘導性の減少
- PF058 苦痛描写映像は攻撃行動を抑制するか(ポスター発表F,研究発表)
- PB41 大学生の体罰に対する態度を規定する要因(社会,ポスター発表B)
- 大量殺傷犯人の属性と犯行パターン(1) 日本における大量殺傷事件の類型
- 資料 出来事の記憶における時隔感
- 幼児期記憶の感情と年齢差
- 司法面接と子どもに対する耐誘導トレーニング (特集 司法面接のこれから)
- 処理の深さ精緻化と多重資源(F.ポスター発表,VII.第9回大会発表要旨)
- 直後再生・連続妨害法における位置・順序情報の保持(部門D,VII.第8回大会発表要旨)
- 長期新近性効果の解釈をめぐる諸問題
- 自伝的記憶の安定性一他者の経験に関するエピソード記憶との比較
- 自伝的記憶と時間的展望 (特集 自己と記憶)
- 認知プロセスに対する感情の影響と恐怖アピールの効果--健康や環境に関する情報の効果的伝達方法
- 日本版Zimbardo Time Perspective Inventory(ZTPI)の因子構造の検討
- ビア・ゴーグル効果研究の現状 : 外見的魅力に関する心理学的研究(1)
- 概括的な自伝的記憶と抑うつ,反すうの関連の検討 : 日本語版 SCEPT と FC-SCEPT を用いて
- 小学生の防犯に関する市販書籍における犯罪被害防止対策の内容に関する検討
- 声に出して言いにくい「日本の大問題」(第4回)隣のストーカー : 「被害者にも問題がある」という大衆の心理について考える
- PD013 最初期記憶の感情価と人格諸特性・個人属性に関連はあるか?(ポスター発表D,研究発表)
- 『法と心理学の事典』出版と今後の法と心理学(法と心理学会第12回大会ワークショップ)
- ストーカーの動機と行動を理解する (特集 DV・ストーカー)
- 大量殺傷犯人の属性と犯行パターン(2)日本で発生した大量殺傷事件の類型化