Bacillus cereus T-105株による食用赤色102号(ニューコクシン)の分解機構
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概要
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前報(2)において,潰物から分離したBacillus cereusT-105株を使用して,強いNC分解活性をもつ菌体を多量に得るため,培養条件についての研究を報告した. 本報においては,本菌株の粗酵素液を用いて,NC分解機構を明らかにするため,脱水素酵素系や補酵素系との関連にっいて検討を行った. NC分解酵素は酸素のない状態で活性を有した.NC分解酵素活性は,培養液にNCを添加した場合に著しく増加し,NCが酵素の活性誘導物質として作用することが認められた.粗酵素液のNC分解酵素活性は,グルコース-6-リン酸,イソクエン酸,α-ケトグルタール酸,リンゴ酸のような水素供与系基質の添加で著しく増加した.そしてこの場合のNC分解酵素活性の至適pHは8.0〜8.5で,至適温度は40〜45°Gであつた. NC還元酵素は,水素供与体としてNADHよりもNADPH強い依存性を示し,さらに補酵素としてFAD,FMNを要求した.しかし,リボフラビンは要求しなかった. これらのことから,NC還元酵素は,NADPHを水素供与体とし,FADあるいはFMNを介して電子伝達を行い,NCを強力に分解するものと考えられた.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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