米胚乳部に存在する脂質分解酵素の精製ならびに性質
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概要
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米胚乳部に存在する脂質分解酵素を分離糖製して,性質を調べ,ヌカ層酵素とも比較検討した. (1) リパーゼ,ガラクトジパーゼおよびホスホリパーゼをゲルろ過によつて相互分離し,それぞれ69倍, 79倍, 50倍に純化した. (2) ゲルろ過の結果から各酵素の分子量は,リパーゼ4万,ガラクトリパーゼ2万,ホスホリパーゼ1.5万と推定された. (3) 蛋白質修飾試薬などの結果から,ガラクトリパーゼおよびホスホリパーゼの活性部位には,セリンおよびシスチン残基が含まれ,リパーゼ活性には,ヒスチジン残基が関与していることが示唆された. (4) ガラクトリパーゼおよびボスホリパーゼは,光酸化によってヒスチジン残基を分解すると活性が促進され,ヒスチジンを添加すると逆に活性が低下した. (5) ガラクトリパーゼは,モノ-およびジアシル型のモノガラクト脂質を同程度に分解し,ジガラクト脂質に対する活性は低い.またホスホリパーゼはレシチン,イノシットリン脂質をよく分解するが,リゾレシチンには比較的作用しがたく,そしてホスファチジルエタノールアミンにはほとんど作用しない. (6) ガラクトリパーゼは1位のエステルを,ホスホリパーゼは2位のエステルを比較的速く分解する傾向があるが,リパーゼには位置選択性はあまり認められなかった. (7) 焦点電気泳動によって,ガラクトリパーゼは2成分,ホスホリパーゼは3成分,そしてリパーゼは3成分から成っていることが分かった. (8) 胚乳部およびヌカ層に存在する脂質分解酵素を比較考察した. (9) 低温貯蔵米における脂質分解と酵素活性変化の特徴を考察した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
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松田 英幸
島根大学農学部農芸化学科食品化学研究室
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平山 修
島根大学農学部生物資源科学科生物資源化学講座
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平山 修
島根大学農学部農芸化学科食品化学研究室
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平山 修
島根大学農学部
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松田 英幸
島根大学農学部
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