光合成細菌Rhodopseudomonas capsulatusの色素生成と培養条件
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概要
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光合成細菌による色素生産のための基礎研究として,紅色無イオウ細菌Rhodopseudomonas capsulalusの色素成分の同定ならびに色素生成と培養条件との関係を検討した.本菌が嫌気明の条件下生産する色素成分はバクテリオクロロフィルとカロチノイドであり,カロチノイド成分をはlycopene, rhodovibrin, anhydrorhodovibrin, spirilloxanthin, OH-spirilloxanthinなどであった.本菌は炭素源もしくは水素供与体として,C2-C5およびC14C18の脂肪酸ならびに油脂を利用して生育し,色素を生成した.ただしC6-C12の中級酸は,ほとんど利用されなかった.培養時の照度が低下するほど色素生成量は増大し,2001uxで最高値に達した.照度の低下,高級酸培地の使用,N2通気は,黄色ないし赤橙色の1ycopene, rhodovibrinの蓄積を促進した.反対に照度の増加,空気あるいは5% CO2/N2の通気は,生合成反応を最終段階まで進め,赤色のOH-spirilloxanthin,spiriloxanthinの生成を促進した。また一般に,生育の対数増殖期ではlycopene, rhodovibrinの生成量が多く,定常期に入るとspirilloxanthinの生成が増大した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
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平山 修
島根大学農学部生物資源科学科生物資源化学講座
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平山 修
島根大・農化
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安東 栄二
島根大学農学部農芸化学教室
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和森 克真
島根大学農学部農芸化学教室
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原 奈美子
島根大学農学部農芸化学教室
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平山 修
島根大学農学部
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