Candida lipolyticaにおけるクエン酸発酵から多価アルコール発酵への転換
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概要
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(1) Candida lipolyticaを中和剤を含ませない培地で培養すると,クエン酸類の生産が減って,代りに基質がブドウ糖の場合には,マンニトールと少量のアラビトールが,またn-パラフィンの場合にはマンニトールと少量のエリスリトールが生成蓄積された.なお,使用菌株によっては仕込みn-パラフィン量に対して,約30%の割合で多価アルコールを生産しうることが認められた. (2) ブドウ糖あるいはn-パラフィンを基質とする中和剤存在下のCandida lipolytica株によるクエン酸発酵過程でも,培養の初期に,マンニトールを主とする多価アルコールがわずかに生成蓄積するが,これらは発酵の進行とともに減少ないし消失する事実も認められた. (3) なお,各種の酵母株がn-パラフィン・エタノールおよび酢酸などからも,糖質原料の場合にべるとはるかに微弱ではあるが,多価アルコールを生産しうることが知られた.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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