温州ミカンの隔年結果に関する研究(第4報) : 体内成分の季節的変化について

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1. 結実状態を異にする60年生尾張系普通温州の種々の性状の枝, および環状剥皮または摘葉を種々の時期に施した18年生辻村系普通温州の側枝につき, 着花状態の変化と, 炭水化物および窒素含量との連関を時期的に追究した。2. その結果, 5月中下旬に伸長を停止した標準的な春枝では,窒素は全量と不溶態のものが,炭水化物は全量が, 12月から増加し始め, とくに翌年の1〜3月には全糖, でん粉の増加が著しかつた。3. 春枝のうちで, とくに早く仲長の止まつた弱小枝, 遅くまで伸び続けた枝, あるいは夏秋枝では, 標準的な春枝に比較して, 窒素ならびに炭水化物含量が少なかつた。4. 結実した枝では, 標準的な春枝に比べて, 窒素とでん粉含量が少なく, 多糖類はむしろ多かつた。したがつて, 全炭水化物量は幾分多かつた。他方でん粉含量は弱勢な春枝に比べると, でん粉含量はさらに少なかつた。5) 環状剥皮を施すには, その時期が早いほど, 窒素は少なく, 炭水化物はすべてのものがふえた。ただし, 可溶態窒素は多くなるが, 不溶態窒素は減り, 全体として減つた。6) 摘葉は, 早い時期に施すほど, 糖とでん粉含量が減り, 新梢の発率が高くなつた。ただし, 摘葉処理1か月後には可溶態, 不溶態の窒素がともに一時ふえるが, 炭水化物にはとくに変つた動きがなく順に減つた。
園芸学会の論文

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