温州ミカンの隔年結果に関する研究 (第5報) : 摘花果および収穫時期と花成について
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概要
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1. 温州ミカンについて, 摘果の時期や程度および収穫時期の相違が翌年の着花率および枝内の養分構成状態に及ぼす影響を調査した。2. 1955年には予備的に, 7月12日, 8月11日,30日, 9月16日に摘果し. それらの摘果した結果枝およびそれと同一栄養圏内の無着果の春枝について, 翌春の花つきの状態を調査した。摘果した結果枝の着花率はそれぞれ42.8%, 20.8%, 12.5%, 4.0%であつた。3. 1956年には, 6月上旬から9月下旬の間に, 摘果期を異にする5つの処理区を設け, 翌春の着花率について1955年の成績を再確認するとともに, 摘果した結果枝および無着果の春枝内の炭水化物および全窒素の含量を定量した。その結果, 12月下旬における枝内の炭水化物含量およびC/N率が, 翌春の着花率と密接な関係を示すことが明らかとなつた。4. 1957年には, 摘果期について5月下旬摘花, 7月中旬摘果, 8月中旬摘果。摘果程度については7月中旬強度摘果, 7月中旬軽度摘果。収穫期については10月下旬〜11月下旬早期収穫, 12月中旬晩期収穫, ならびに無摘果の8処理を施した樹を設けた。各区に9〜1月の間に, 毎月摘葉する側枝ならびに無摘葉の側枝を作り, 翌春その側枝上の無着果春枝, 摘果された結果枝を含めた1年生枝の着花率を調査した。9〜10月に着果負担の重い場合は, その期に摘葉処理した枝の着花率はめいりように低く, 花成のための養分の集積が少ないことを示し, その後, 形態的な花芽分化期までの養分の集積も少なくて, 翌春の着花が過少となる。摘果が早く, かつ強いほど花成のための養分の集積は早くから多く, 収穫期から冬期にも累進的に多くなることが推論される。
著者
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