温州ミカンの隔年結果に関する研究 (第6報) : 窒素, リン酸および加里吸収量の季節的消長について
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概要
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1. カラタチ台尾張系普通温州ミカンの58年生樹を供試し, それまでの収量調査から, 隔年結果をしていて成り年, 不成り年にあたる樹, 連年結果をしている樹の結果型について, 1年生枝葉, 花〜果実の発育とそれに伴う窒素, リン酸, 加里吸収量の季節的消長を調査した。2. 不着果枝と着果枝の数的割合は, 不成り年樹では7:1, 成り年樹では2:1, 連年結果樹では2.3:1であつた。着果数は不成り年樹が極端に少なかつたが, 落果率は結果型による相異が少なく, 69.1〜66.4%であつた。3. いずれの結果型の樹も, 1年生枝の伸びや生体重の増加は6月末で停止したが, 生体重増大の山は不成り年樹では6月に, 成り年樹や連年結果樹では5月にあつた。果実重は8〜10月にふえ, 8月に最も著しかつた。生体重での果実重対1年生枝葉の比は, 成り年樹で20:1, 連年結果樹で15:1, 不成り年樹では3:1であり, 全体としての生体重のふえ方は果実の量に支配され, その増加のピークは8〜10月にあつた。しかし, 乾物重でみると, 果実重対1年生枝葉の比はいちじるしく低下し, 増重の最高の山は不成り年樹では5月に, 連年結果樹や成り年樹では7月以降にあらわれた。4. 窒素吸収量は, 不成り年樹では6月と9月に山があり, とくに6月の山が大きかつた。成り年樹では着果の影響が大きく, 8月に吸収の山があり, 連年結果樹では, 全体としては5〜8月と10月に山を生じたが, 8月の山が最も大きかつた。5. リン酸吸収量は, 不成り年樹では5〜6月, 8月, 10月に山がみられたが, 成り年樹では果実による吸収が支配的で8月と10月に山が現われた。6. 加里吸収量は着果量の多少に著しく影響され, 成り年樹では8月に最大の吸収の山がみられたが, 不成り年樹では6月に山がみられた。いずれの結果型の樹も9〜10月には1年生枝葉中の加里含量が減少したが, その程度は着果量の多少と関係しなかつた。
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