果樹中に含まれる多価アルコールおよび糖の季節的変動

概要

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1. 主要な果樹の枝や葉を用いて, 夏から冬にかけて含まれている糖と多価アルコールの量を測定した。その結果, いずれの果樹においても夏から冬にかけて, 多価アルコールは糖とほぼ平行して増加した。2. リンゴ, スモモ, 洋ナシ, モモ, オウトウ等のバラ科の果樹中には夏も冬もかなりの量の多価アルコールが含まれていた。その糖に対する含有割合は夏に約70%であり, 冬には43〜73%であつた。カキ, ブドウでは, 夏には多価アルコールは少量しか含まれていないが, 冬にはその糖に対する含有割合は約50%に達した。カンキッ類では, 冬にも多価アルコールの含有量が少なかつた。3. 果樹中に含まれている糖の種類は果樹の種類のいかんにかかわらずほとんど等しいが, それぞれの含有割合は果樹の種類によつて異なつている。その中で主なものは, フラクトーズ, グルコーズおよびサッカローズである。なおラフィノーズは9〜10月に, スタキオーズは11月に初めて現われ, 12月末までにいちじるしく増した。
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