クリ樹の耐凍性
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概要
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クリ樹の枝の種間および品種間の耐凍性, その季節および年次変動, 耐凍性の高まりに対する低温の影響を明らかにするため, おもに1年生枝を使用して実験を行なった。実験材料にはニホングリ(28品種), ヨーロッパグリ(2品種), シナグリ(3品種)を用いた。(1)クリ樹の枝の耐凍性は種間でかなり異なり, シナグリの耐凍性が最も高かった。(2)ニホングリ栽培品種間の枝の耐凍性も品種間で差が認められた。品種別の耐凍性の程度は時期により異なり, 一定の傾向はみられなかった。ただし, 赤中という品種はいずれの時期でも耐凍度の低い品種に属した。品種間の耐凍性の差は厳寒期で大きく, 初冬期や萠芽期では小さかった。(3)クリ樹の枝の耐凍性は季節によって著しく異なり, 初冬期(11月中旬)は-5〜-15℃, 厳寒期(1月中下旬)は-12〜-27℃, 萠芽期(4月上旬)は-3〜-12℃であった。(4)広島県におけるクリ樹の凍害発生時期は11月下旬の初冬期から4月上旬の萠芽期までの間で, 年によって異なる。
- 1977-10-25
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