ブドウの温度条件に関する研究 (第4報) : 昼夜温が Delaware ブドウの生長に及ぼす影響
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概要
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これまで自然の昼温下で, 夜温の人為的相違が Delaware ブドウ樹の生長や果実の止り, 肥大•収量•品質などに及ぼす影響をみてきた。その結果, 全生長周期を通じて夜温21〜22°Cがあらゆる点で適当であることを認めた。当報告は, 逆にこの適夜温が昼温の人為的相違によってどのように変化するかをみたものである。1. Delaware ブドウの挿木苗を, 昼間 (8 a.m.-6p.m.) には15°, 20および30°C, 夜間(6 p.m.-8 a.m.)には12°, 18°, 24°, および30°Cの温度調節室に相互組み合わせて搬入した。その結果, 地上部, 地下部, および全樹体の重量 (生体ならびに乾物) は, 昼温20°C-夜温24°C, あるいは18°C(平均21°C)の組み合わせにおいて最大であつた。2. Delaware ブドウの見掛けの同化量を Punch 法で7〜10月の快晴日の10 a.m.-2 p.m.に測定し, その時間内の平均気温との関係をみた。その結果, 平均気温19〜36°Cの範囲内では22°C前後のときに最大の見掛けの同化量を示した。3. したがつて, 昼温が見掛けの同化ならびに樹体の生長に好適であるとともに, 夜温もほぼ同じ21〜22°C前後である場合に, 最大量の生長をするようである。4. 実際栽培の立場から品質優良な果実を多量に生産するには, 果粒の肥大成熟に必要なだけじゆうぶんに, 日平均気温または月平均気温210〜22°Cの気候が長く続くことが望ましい。
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