カキ西村早生組織培養個体の順化に及ぼす要因とその圃場生育
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
カキ (Diospyros kaki Thunb.) 西村早生の茎頂培養より得たシュートを用い, 鉢上げ•順化に関する諸条件の検討を行うと同時に, 一部の個体を圃場に移植しその生育状況を調査した. 順化時の温度は28°Cが最も良く, 多くの個体が生存したが, 22°Cあるいは34°Cではほとんどの個体が枯死した. 連続照明で順化した個体の方が16時間日長で順化した個体よりも生育が優れていた. 人工気象器内の光合成有効光量子束を高めることは, 個体の生存および生長に有効であった. IBAによる発根促進処理直後に鉢上げするとすべての個体が枯死した. 発根培地においてある程度発根を誘導してから鉢上げを行うとほとんどの個体が生存したが, 発根培地で20日間培養してから鉢上げした個体の生長が最も良かった. 屋外に搬出した鉢上げ個体は順調に生育したが, 鉢植えしたものよりも圃場に直接植え付けたものの方が生長が優れた. 鉢植え個体の一部に雄花および雌花の着花が認められ, 茎頂培養によるrejuvenationは起こらなかったことが示された.
- 園芸学会の論文
著者
関連論文
- コンピュータ画像処理を用いたカキ果実内タンニンの測定法
- ナシの耐塩性に関する研究 : (第1報)NaCl処理がナシの樹体生長に及ぼす影響
- ソルビトールの生合成能を賦与したカキの形質転換体の耐塩性と生育特性
- カキ組織培養樹のほ場定植直後の生育について
- ウメ(Prunus mume Sieb. et Zucc.)のS^f-RNase遺伝子特異的なPCR増幅のためのプライマーセットの開発(育種・遺伝資源)
- 自家不和合性の果樹生産における問題点と現状
- ウメの自家和合性個体判別のための分子マーカー
- カキ属数種の倍数性とゲノムサイズ
- サトイモの低温貯蔵中における腐敗発生の様相
- オウトウの自家不和合性における花粉S候補遺伝子の同定
- Prunus 属果樹類の配偶体型自家不和合性に関する研究 : 4倍体種の酸果オウトウ(Prunus cerasus)におけるS対立遺伝子の遺伝様式
- オウトウの配偶体型自家不和合性に関する研究 : 自家和合性4倍体種の酸果オウトウ(Prunus cerasus)における S-RNase の同定
- カキの胚軸由来カルスからの不定胚形成
- カキプロトプラスト培養における培養効率の向上
- アグロバクテリウム法によるカキの形質転換系の確立とその応用
- ブドウの温度条件に関する研究 (第5報) : 夜温が Muscat of Alexandria の果実の生長, 収量および品質に及ぼす影響
- ブドウの温度条件に関する研究 (第4報) : 昼夜温が Delaware ブドウの生長に及ぼす影響
- ブドウ樹の休眠期における根の活動とチッソ施用適期について
- カンキツ類の樹上完熟栽培果実の障害発生と品質の経時的変化
- 幼若性を異にするカキ (Diospyros kaki L.) の培養個体および実生の生長および発根特性の比較
- Agrobacterium rhizogenes A4株によるカキ (Diospyros kaki L.) の形質転換
- サイトカイニンの種類がカキのin vitro繁殖に及ぼす影響
- カキ西村早生組織培養個体の順化に及ぼす要因とその圃場生育
- カキ"夫婦柿"やく由来カルスからの不定芽形成と再生個体のアイソザイム変異
- カキ数品種のin vitroでのシュ-ト増殖と発根